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森永卓郎さんのちょっと賢い年金生活
- 【第48回】マイナス金利をどう乗り切るか 2016.04.17
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日本銀行がマイナス金利政策を導入したため、銀行が大幅に金利を引き下げています。例えば、大手銀行の普通預金金利は、年間でわずか0・001%と、100万円を預金して年間の利息が10円というとてつもない低金利になってしまいました。一部の地方銀行や信用金庫では、金利の引き下げを見送っていて、そうした金融機関を利用するというのも、一つの対抗策ではありますが、利便性を考えると、なかなか利用はむずかしいというのが、実情でしょう。
そうしたなかで、預金のリターンを確保する一つの方法が、ポイントを活用するということです。例えば、ポイント制度が最も充実しているりそな銀行の例でみましょう。
りそな銀行では、りそなクラブに加入すると、さまざまなサービスを利用するたびにポイントがたまります。例えば、給与の受け取りで毎月20ポイント、年金の受け取りで毎月20ポイント、りそなカードの利用代金引き落としで毎月10ポイントといった形です。
そして普通預金を除く預入金融資産の残高10万円ごとに毎月1ポイントが貯まります。月間上限は200ポイントで、つまり定期預金を2000万円預けていれば、金利とは別に、毎月200ポイントがつくのです。1ポイントは1円換算ですから、100万円の定期預金で、年間120円のポイントがつくことになります。普通預金金利の12倍なのです。
とは言っても、ATMの時間外引き出し手数料1回分ではないかと思われる方もいらっしゃるかもしれません。確かにその通りですが、りそなクラブに入会しておくと、ステータスに応じて、ATM利用手数料や振込手数料が無料になったり、優遇されるサービスも受けられるのです。
塵も積もれば山となる。面倒くさがらずに小さなことを積み上げていく。それが、マイナス金利を乗り切る一つの方法でしょう。■ PROFILE
森永卓郎 1957年東京生まれ。経済アナリスト。東京大学経済学部卒業後、日本専売公社(現JT)、経済企画庁、民間シンクタンクなどを経て、獨協大学経済学部教授に。多数の著書を手掛け、「年金は60歳からもらえ」(光文社)を監修。ペットボトルの蓋などB級グッズコレクターでもある。コレクションを展示する博物館(B宝館)を新所沢に2014年10月に開館!