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森永卓郎さんのちょっと賢い年金生活
- 【第8回】食費節約のコツ 2013.01.04
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1ヶ月1万円でも満足の食生活が送れる
テレビ朝日系の『いきなり!黄金生活』という番組で、1ヶ月1万円節約生活というのを体験しました。1万円と言っても、光熱費を引かれるので、食費に回せるのは、6千円あまりです。それでも、私は毎日新しい料理を作り、お腹いっぱい食べることができました。今回は、そこで学んだ食費節約のコツをお伝えしたいと思います。
料理はアイデア次第で楽しくなり節約も可能
まずは、買い物です。今回実感したのは、食品の値段というのは、あきれるほど違うということです。目玉商品や見切り品には、驚くような低価格がついています。例えば、ドンキホーテでは、レモン飴と梅飴が24個入ったパックを20円で買いました。大阪の玉出というスーパーでは、韓国のりと油揚げと缶ジュースを、それぞれ1円で買うことができました。また、目玉商品だけでなく、通常商品にも大きな価格差があります。玉葱ひとつでも、店によって20円から80円くらいの価格の開きがあるのです。大雑把に言うと、庶民の街の物価は安いので、生活の拠点を庶民の街に構えるだけで大きな節約になります。
また、タダの食材の活用も重要です。八百屋さんにいけば、キャベツやレタスをむいた外側の葉をもらえますし、時には痛んだ果物ももらえます。肉屋さんでもらったラードと牛脂は、料理で大活躍しました。それから、タダではありませんが、パン屋さんで買った一斤10円のパンの耳は、サンドイッチにしてお昼ご飯に持っていったり、ミキサーで砕いてパン粉にしたり、鍋にお麩の代わりに入れたりと、さまざまな用途に使うことができました。
さらに、食費の節約で一番大切なことは、食事を作る時に、献立を決めて買い物に行かないことです。まず安い食材だけを買い揃えて、そこから何が作れるのかを考えるのです。この逆転の発想は、食費を劇的に抑える効果を持つだけでなく、色々知恵を絞ることで、料理がとても楽しくなるのです。節約は工夫の積み重ねなのです。
■森永卓郎
1957年東京生まれ。 経済アナリスト。東京大学経済学部卒業後、日本専売公社(現JT)、経済企画庁、民間シンクタンクなどを経て、獨協大学経済学部教授に。多数の著書を手掛け、最近は「年金は60歳からもらえ」(光文社)を監修。ペットボトルの蓋などB級グッズコレクターでもある。