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森永卓郎さんのちょっと賢い年金生活
- 【第5回】お金のかからない生き甲斐作り 2012.09.01
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■生き甲斐作りのコレクションで生活圧迫は本末転倒
高齢者の生き甲斐のなかで、一つの大きな分野になっているのがコレクションです。コレクションというと、真っ先に思い浮かぶのが書画骨董でしょう。実際、そうしたモノを集めている人が多いのが現実です。もちろんそうしたコレクションは、素晴らしいと思うのですが、熱中していくと、大きなお金がかかるのも事実です。なかには、骨董蒐集にお金を使いすぎて生活を圧迫してしまう人までいます。そうなったら、コレクションが苦しみになってしまうので、本末転倒です。
■ペットボトルのフタを通じ世界に仲間を作る
私は、いま58種類のコレクションをしていますが、空き缶や食品のパッケージ、お菓子のおまけなど、ほとんどがお金のかからないものです。なかでも、一番お金がかかっていないのが、ペットボトルのフタです。
そんなものがコレクションになるのかと思われるかもしれませんが、最近ではコレクターがずいぶん増えてきました。小さなフタでも、工業デザインの極致なので、ずらりと並べると結構美しくて、楽しいのです。
フタのコレクションは、収納にもお金がかかりません。百円ショップでファイルケースを買ってくれば、フタが百個は収納できます。
また、仲間もできます。ネットで探せば、フタコレクションを掲載したホームページがたくさんありますから、そこから連絡を取って、仲間との会合にも参加できるのです。
さらによいのは、フタのコレクターが世界中にいるということです。だから、自分のコレクションを写真に撮って、ホームページに掲載し、その下に「Trade OK」と書いて、自分のメールアドレスを貼り付けておくだけで、世界中のコレクターからメールが送られてきます。英語ができなくても気にする必要はありません。簡単な単語の羅列だけで、コミュニケーションは十分取れます。なぜなら、メールを送ってくる人もコレクターなので、気持ちが通じるからです。趣味のない方は、ここから始めてはいかがでしょうか。
■森永卓郎
1957年東京生まれ。 経済アナリスト。
東京大学経済学部卒業後、日本専売公社(現JT)、経済企画庁、民間シンクタンクなどを経て、獨協大学経済学部教授に。
多数の著書を手掛け、最近は「年金は60歳からもらえ」(光文社)を監修。
ペットボトルの蓋などB級グッズコレクターでもある。