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聖マリアンナ医科大学病院 スーパー医師による医療情報
- 「専門医療をより身近に」 脳神経内科の挑戦~脳神経内科 主任教授 山野嘉久先生 2025.03.19
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脳神経内科は、脳や脊髄、神経、筋肉などに起こる病気を専門とする内科です。脳卒中や脳炎など一刻を争う病気から、パーキンソン病をはじめとする慢性疾患や神経難病、さらには日常でよくおこる頭痛やめまい、しびれ、物忘れなど、幅広い疾患の治療を行っています。
聖マリアンナ医科大学病院・脳神経内科では、地域の方々の〝より良い治療を受けたい〟というニーズに応えるため、脳神経一般外来に加え、パーキンソン病外来、頭痛外来、神経免疫疾患や難病外来などの専門外来を設け、各分野のエキスパートが診療にあたっています。
また、脳神経内科は難治性の病気、いわゆる難病が多いのも特徴の一つです。当科では、ゲノム解析や再生医学など最先端の技術を積極的に取り入れ、諦めずに粘り強く患者さんに寄り添いながら診療を続けています。さらに、脳卒中センターやてんかんセンターなど、他科と連携し最先端の治療を行う体制も充実しています。
皆さんがよくご存じの脳梗塞という病気は、脳の血管に血栓が詰まることで脳の細胞が壊れてしまい、幸い一命をとりとめても手足の麻痺や言語障害などの後遺症が残り、日常生活に大きな支障をきたす可能性の高い深刻な病気です。患者さんの命を救い、後遺症を最小限に抑えるためには、一分一秒でも早い診断と治療の開始が非常に重要です。
近年、脳卒中の治療は飛躍的に進歩しており、発症後数時間以内に血栓を溶かす治療や、カテーテルを使って血栓を取り除く「脳血管内治療」を行うことで、麻痺などの後遺症をほとんど残さず回復することも可能になってきました。当院は、脳卒中の地域基幹病院として、24時間365日、最先端治療に対応できる体制を整え、大きな治療成果を挙げています。また、その後のリハビリテーションも当院のリハビリテーション科で一貫して行っており、さらに仕事と治療の両立支援も提供しています。
最近の話題としては、アルツハイマー型認知症の前段階であるMCI(軽度認知障害)に対する最新の治療が、症状の改善や進行予防を目指し、神経精神科との連携で始まっています。物忘れでお困りの方がおられましたら、ぜひお気軽にご相談ください。■取材協力
聖マリアンナ医科大学病院(神奈川県川崎市宮前区菅生2‐16‐1)
☎044‐977‐8111㈹