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清水国明さんの国明式災害生存術
- 人生を楽しむ「自然暮らし」のための仕組みつくりを 2009.04.09
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テレビ番組の取材に出かけて知ったのですが、今全国で、医師や看護師の不足と国の診療報酬削減が原因で病院の経営が苦しくなってて、あちこちで倒産してしまうところが出てきたようです。いつ行っても待たされるくらい繁盛している病院が、まさかつぶれるとは思っていませんでしたね。
自治体病院は税金で赤字補填していますが、医療生活協同組合や民間資本の医療法人は、よほどの経営センスがなければどこも苦しい局面に立たされる時代になりました。国は医師不足ではなくて都市に固まる偏在だと言っています。いずれにしても間違いなく、地方には医師がいない日がやがて来るのです。そしたら「自然暮らし」なんて言っていられなくて、不安な人は、いつまでも都会にしがみついて暮らすしかありません。元気なうちは都会で働いて、老後は田舎でのんびり、という計画の続きに、元気なうちは田舎でのんびりしていて、病気になったら都会で入院、と付け加えなければならなくなりました。終の棲家を田舎に求めるのではなく、都会に確保しておいてそのときが来るまでを楽しむ、しかないようです。いわゆる2地域居住、てやつですが、だとしたらある意味想定済みで、どっちを先にするかって話なのかもしれません。
都会で暮らし始めた人は、最終段階に入った人で、田舎へ出ようとする人はこれから人生を楽しもうとする人。もったいないのは元気なのに、やがて戻ってくるのだからと都会に居続けている人ですね。
ご飯食べてもどうせお腹が空くのだから食べないでおこうとしてるようなもの。人生を楽しむために用意されている季節を、ただ便利で楽だからとテレビの前に座ってやり過ごしてしまうのはいかがなものでしょう。大切な時間ですから本当に自分のために有効に使う。自分のためですが、自分を喜ばすためだけに始めた田舎暮らしが軒並み挫折してるのも事実で、まずは誰かを喜ばすことが自分の喜びになる仕組みつくりですね。
■清水國明(タレント・自然暮らしの会代表)