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清水国明さんの国明式災害生存術
- 娘たちに教えられた、人を信じることの意味。 2008.08.27
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「こりゃ負けてられんぞ!」
一年以上も音信が途絶えていた娘たち二人が、この同じ空の下で、一日の休みもとらず頑張って働いているという話を人伝に聞いたとき、嬉しいと同時にモリモリとファイトが沸いてきました。家族がバラバラになってしまい、僕は河口湖の森の中で、他人様の子どもの面倒を見ている毎日。その代わりというわけではありませんが、どこかで僕の子どもたちの面倒を見てくれる人が現れますように、と祈る気持ちで過ごしていたのです。
姉はアルバイト先で副店長になり、妹のほうは別の店で店長をやらせてもらっているとのこと。
まだ二十歳そこそこの小娘がそんな役職で働けるには、周りの人たちのものすごい応援がなければありえないことです。『あぁ、有難いなー、支えてくれる人たちがいたのだなぁ』と思わず手を合わせました。これまでの親の因果が子に報いているのではないか、子達はわがままな父親を恨んで、ふて腐れた生き方をしているのではないか、と心配し、夜中に悪い夢を見て飛び起きることもありました。本当に嬉しいニュースでした。自分も今20名もの人に働いてもらっていますが、経営者として娘みたいな年齢の人を、社運をかけた部署や店舗の長に就けることができるだろうかと考えてみました。
結論は、猜疑心が強く、社員を信頼できない情けない経営者だという自己嫌悪。そうかわかったぞ。任せることってこういうことだったのだ。その人の家族、親族、周辺すべてがその抜擢を喜び、祈り、応援するから、本人のモチベーションも高まって、寝る間も惜しんで働いてくれるのですね。働かされている集団と、働かせている経営者がいるうちはその会社の発展は望めない。自ら働こう、成果を出そうと前向きに行動する集団とその人たちを信頼して任せている経営者。そんな会社、経営者に生まれ変わろうと思います。
娘たちに負けてられないですからね。
ようやく森にも春の兆し。もうすぐです。■清水國明(タレント・自然暮らしの会代表)