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清水国明さんの国明式災害生存術
- 「絆の森」で育まれる心と体、親子の絆 2008.07.30
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風見しんごくんの愛娘が交通事故で亡くなりました。憔悴しきった彼にかける言葉が見つかりませんでした。すごく子煩悩ないいパパだったので、尚更でしょう。これからの楽しい時間をいきなり奪われてしまった風見くんの気持ちを思うといたたまれません。
考えてみると、こんな不幸なことが起こらないにしても、親と子が一緒に暮らせる時間って、意外と多くないのかもしれませんね。僕も家族で色々なところへ出かけていた頃は、このままこんな時間が永遠に続くような気がしていましたが、今は河口湖の森の中で1人暮らしです。自業自得なんですが、子どもたちが成長して自分の人生を歩き始めると、それまでのように自分の想いだけで一緒に行動することが出来なくなります。「パパが好きなことばっかりやるのはいいけど、私たちを無理やりつき合わすのは止めて」と宣言されてしまいました。
それぞれがそれぞれの場所で暮らしています。それまでが異常にくっついていた家族だったので、寂しさを感じるときもありますが、どこかで元気に生きていてくれたら、それだけで満足すべきなのかもしれません。
こんなことならもっと子どもたちと、あんなこともこんなこともやっておけばよかったな、といくらか悔いています。
今、河口湖の森の中でやっているのは、そんな反省をこめて親と子が絆を育むことが出来る、自然体験施設です。
自然の中で子どもが親を尊敬し、親が子どもを愛おしく思うような体験、思い出が作れるところ。絆の育みを応援することを理念にしています。心と体、そして絆。育まなければ壊れてしまうものばかり。親と子の楽しい自然体験の思い出に、「絆の森」で植樹してもらっています。1年後5年後、10年後にこの森を訪ねたとき、大きく育っている絆の木の前で、何を思うのでしょうか。僕は1人で、クヌギやコナラを植えています。未来の子どもたちがこの森で、元気に走り回ってくれたら嬉しいですね。
■清水國明(タレント・自然暮らしの会代表)