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一期一筆
- 日本発の地球音楽祭を 2023.11.20
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自他共に幸せに暮せる社会でありたい。戦争や紛争のない平和な世界であってほしい。地球環境の悪化を食い止めたい―。こうした世界中の人たちの思いを結び、力にもなるのが音楽。文化庁はアジア版グラミー賞の創設を検討しているようだが、そうであるならば翼を大きく広げ、〈地球音楽祭(仮称)〉を開催するぐらいの発想があってもいいのではないだろうか。
同庁がモデルとするのは、世界の注目度が高い米音楽界最高の音楽賞・グラミー賞。毎年2月頃にロサンゼルスで授賞式が行われている。アジア版グラミー賞は、今年3月に京都に移転した同庁の新たな文化振興策の一つ。早ければ2025年に京都でアジア圏のアーティストを顕彰する授賞式の開催を目指している。
私案の地球音楽祭は、各国を代表するポップミュージックやオーケストラ演奏、民族音楽などによる音楽文化の祭典。心ある世界のアーティストが、被爆地の広島・長崎に集い、2年に1回のペースで、4月22日の〈アースデイ〉前後3日間ほどの日程で開催する。主催は世界の平和を希求する国連と日本、非政府組織NGO。もちろん祭典の模様は、テレビやインターネットで世界に発信する。
音楽文化が奏でる旋律は、人の心を豊かに耕し、優しくする。地球を映し出した巨大スクリーンがバックのステージから、地球讃歌、人間讃歌、生命讃歌のメッセージを世界に発信する音楽祭。自他共の幸福と平和な世界を実現する確かな力になればうれしい。第1回のスタートは30年。大風呂敷を広げてしまった。都倉俊一・文化庁長官、手を貸してくださ~い。(石井仁・読売新聞東京本社元記者)