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一期一筆
- 日曜朝の脳トレ 2023.06.19
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コーヒーを飲みながら読売新聞に目を通す。その後は本紙別刷りの日曜版〈よみほっと〉に毎週掲載されている「数独」と「クロスワード」に挑戦する。習慣になっている日曜朝の脳のトレーニングである。ただ毎月、最終日曜日の数独は難易度が高く苦戦するが、今では解き終わった後の征服感が快感となっている。
脳にある5つの力は、加齢と共に記憶力、集中力、注意力、思考力、意欲の順に衰えていく。タテ列、ヨコ列、太線で囲まれたブロックのどれにも1から9までの数字を入れていく数独は、最初に衰え始める記憶力に関わる脳の海馬を刺激する効果があるという。
布を織るように脳の二本柱である記憶力と思考力を、集中力と注意力を使って細かく結びつけるのが、クロスワードパズル。柔軟な発想や応用力の基になるなど思考力が活性化する。
超高齢社会を反映し、書店やネット空間では高齢者向けのこうした脳ドリル本や無料アプリなども増えている。ボタンを掛け違っていたり、食べこぼしが目立ち始めたら、注意力の回復が期待されるイラストや写真などを使った〈間違い探し〉ドリルが良いらしい。
出不精や服装に無頓着、入浴回数の減少など生活に意欲がなくなるのは、認知症の一歩手前の兆候。このような場合は、達成感が満たされることで意欲が増す効果が期待される〈足し算ペア〉などもある。
人間の尊厳も問われかねない認知症予備軍の身。脳の血流をアップする散歩などの適度な運動と脳ドリルなどの効果的な活用で脳を活性化させ、人生の最期まで認知症を回避し続けたいと思うのだが…。(石井仁・読売新聞東京本社元記者)