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おかしな法則 2023.05.16
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 人の世には〝おかしな法則〟がある。ちゃらんぽらんで我が儘。要領がよくて図々しい。常識に囚われず図太い。このような人の方が、やる事成す事がうまくいき、道も拓ける。反対に世間の常識に従い、周りに同調し、他者を思いやるなど真面目に生きる人が報われず、行き詰っていく。おかしな法則である。
 本来は逆であるべきなのだろうが、現実はそうはならない。見えてくるのは真面目な人に多い内向きの自分を殺した生き方。古来から長い年月をかけて日本人のDNAに組み込まれてきた処世術でもある。
 白黒をはっきりさせない。狭い世間の常識に従い、長いものに巻かれる―。こうした処世術が根付いた背景には、慣習や掟破りの者に課せられた〝村八分〟といった地域の制裁や現世社会を厭い、西方浄土での往生を説く念仏思想などがあったと指摘する識者もいる。
 自分を殺す生き方は、謙譲の美徳のように映るが違う。自分の生命が萎縮、生命力が弱まるから生き方も消極的になって、行き詰る。真面目な人たちが陥る〝生命の負の方程式〟である。
 一方、しがらみなどに囚われない我が儘な人らの生命は、開放的で輝きも増す。勢いのある生命の渦に人も引き寄せられ、人脈が拡大するなど人生の歯車が良い方に良い方にと回転する。
 多重危機の時代を切り拓けるのは、悪弊に囚われない若い力である。目指すべきは、日本人の宿痾とも言える自分を殺す生き方を断ち切り、真面目に生きる人らも報われ、皆の生命が輝く社会の構築。重い荷ではあるが新社会人の皆さんに託したいと思う。(石井仁・読売新聞東京本社元記者)


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