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食は生きている限り付き合うもの。あなたにとっての美味しい食事を見つけてください 2025.04.22
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 俳優として数々の注目作に出演し、音楽と笑いを融合した「オトネタ」も人気のマキタスポーツさん。今回、長年の食への思いをまとめた『グルメ外道』を発表。世間の流行や他人の評価は関係ない、自分だけの美味しさを追求した少し変わったグルメエッセイです。

 

読むとお腹が空いてくる? マキタスポーツ流グルメ論

 流行りのグルメや行列ができる飲食店、時短レシピ。世の中には食の情報が溢れ、その付き合い方も千差万別です。マキタスポーツさんの最新刊『グルメ外道』に書かれているのは、極めて個人的で細かい食の楽しみ方のツボ。心の奥に眠る自分だけの食への愛にふれるような一冊です。
 「もし僕のツボが合わなくても、読後に各々の食の感じ方がより鮮明になって食事がより楽しくなってくれたら嬉しいですね。文章自体が、いかにも美味しそうになったらいいな、と思いながら書きました」
 理路整然と書くことより、大事にしたのは言葉の新鮮さ。熱を感じる文章にぐいぐい引き込まれますが、「食について語ったり書くことは僕にとって大事なこと。同時に屈折した思いや恥じらいも感じるんです」と、複雑な心中を明かします。
 「見られたいような、見られたくないような、そういうためらいがずっとある。食べ物のことを大きな声で語るのが、どこか恥ずかしいんです。この本も人の思考を覗き見する感覚というか、じくじくした内省を綴った私小説のような感覚に近いかもしれないですね」
 マルチに活躍するマキタさんですが、元々好きなのは、お笑いと音楽、それに食。時勢や社会問題などを理解しようとする時は、自分の元となった軸を通して考えると言います。その独自の視点が唯一無二の魅力となっていますが、今作でも絶妙な視点や表現に思わず笑いがこみ上げます。シチュエーションや思い出も味として楽しむ『背景食い』、独自過ぎる食の合理化『ライスハック』。旅先では地方の人々が生活の中で食す『現地メシ』を求めて奮闘します。
 「芋の煮っころがしみたいな物でも全然よくて、何でもない食べ物にちょっとした地域性を感じると嬉しくなるんです。でも、地元の人達は普段食べている物を外に出すのをやたら恥ずかしがったりするじゃないですか。その気持ちも分かるんですよ。僕の地元は山梨ですが、郷土料理のほうとうは完全に家庭の食べ物なので、もしよそから来た人に毎日食べているほうとうを食べさせろって言われたら、僕も隠したり、映えを気にしたりすると思うんです。そういう家庭の食べ物がよその視点からだと途端に美味しそうに見えるんですよね。大変な思いをしても、結局期待した物を食べられないこともよくありますが、旅ではそれ自体が大事な記憶になりますから」

「お腹が空いた時に生きているなってすごく感じるんです」

 50歳を超えたあたりから、あと何回食べられるのか、カウントダウンのように感じるようになったと言うマキタさん。年を取るにつれて食べられる量や物も変化していきますが、どう食に向き合っていけばいいのでしょうか。
 「僕は脂っこいラーメンや焼肉もまだ食べたい。凡庸なことを言いますが、そのためにはきちんと体調管理をしないといけないですよね。好きな物が食べられなくなっちゃったらつまらないじゃないですか。あとは、この本の『背景食い』という考え方、普段の食事でも美味しさをより強く感じるために、その食べ物にまつわる己のストーリーを心の中で膨らませて思いを高めていく。飢餓感を自分の中で工夫するというか……。僕はお腹が空いた時に頭上でくす玉が割れる感覚があって、生きているなってすごく感じるんです。そういう感覚を大事にしたら食事の失敗ってあまり無いように思うんですよね。他のことはやめたり諦めたりしますが、食だけは生きている限り最後まで付き合うものだから、一回一回を大事にしたいし楽しみたい。胃を健康にして、なるべく多く長く、あなたにとっての美味しい食事を見つけてください。一食入魂でいきましょう!」

 

■プロフィール

俳優・芸人/マキタスポーツ

1970年山梨県出身。俳優、芸人、ミュージシャン、文筆家など、多彩な活動を行っている。音楽と笑いを融合させた「オトネタ」を提唱し、各地で精力的にライブを開催。俳優として、映画やテレビドラマに多数出演し、2013年、映画『苦役列車』で第55回ブルーリボン賞新人賞などを受賞。主な著書に『決定版 一億総ツッコミ時代』『すべてのJ-POPはパクリである』『越境芸人』『雌伏三十年』ほか。

 

■インフォメーション

マキタスポーツさん新刊

「グルメ外道 」

価格/1,056円(税込)

出版/新潮新書

 

 


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