40周年のワハハ本舗が贈る究極のエンターテインメント

　「若い時はとにかく面白いことをしたい、笑っていただきたいという思いがあったので、芝居の中に笑いがあるというより、笑いに芝居があるというのがやりたかった。でもそれは劇団の方向性とは違っていて、じゃあ自分たちで作ろうってなったのがワハハ本舗設立のきっかけです。自信なんてないですよ！ 勢いだけ（笑）。当時は劇団に残った方がいいのか、そもそも自分に向いているのか、悩みも多かったですから。それでも引かれたレールの上を走るよりは、自分たちでレールを作って、痛い目にも遭っていこうと…もう勢いと情熱だけでしたね」
　こうして始まったワハハ本舗。翌年には久本さんらのテレビ進出により劇団の知名度が飛躍的に上昇。観客もぐんと増え、『24時間耐久バスツアー公演』など、ド派手な企画も行われるようになりました。
　「当時、若手芸人たちを紹介する『冗談画報』という番組があって、そこで結構使っていただいていました。それから『今夜は最高！』でタモリさんのコントの相手役をやらせていただいて、ワハハのお客様もブワーっと増えていった感じですね。バスツアーもたくさんの方が来てくれました。各場所でネタやって、ホテルで芝居して、朝まで各部屋でイベントやって…。後にも先にも聞いたことがないですよね。そういう集団です（笑）」
　そうこうするうちに久本さんのテレビ出演が急増し、大ブレイク。ワハハ本舗でも全国ツアー公演が行われ、過去最高の動員を達成するなど一つの黄金時代を迎えます。一方、久本さん個人は、ある悩みに直面していました。
　「テレビの仕事が増えたことで、舞台の稽古ができなくなったのは辛かったですね。うちの劇団は自分たちでアイデアから作り上げていくので、各々に宿題がいっぱいあるんです。でもそれが忙しくて考えられなかったりすると、みんなに追いつけないし、クオリティも低いものになってしまう。情けなかったですね。しばらく舞台は休もうと考えました。でも、そのときやっていた若手の公演で、彼らが全力でお客様に喜んでもらおうとする姿を観て、目が覚めたんです。私の原点は舞台なのだから、両方頑張っていこうって」
　気づけばメンバーは30名と大所帯化。ネタの幅も広がり、劇場も二千人規模の大きなものになっていきました。しかし、創立30周年を迎える節目の年、突如全体公演の終了を発表。２０２１年の復活まで４年の充電期間に入ることになります。
　「ラストって言いながら『またやろうよ』と主宰の喰始には言っていたので、ワハハがなくなったっていう感覚は無かったです。ただ、復活の時の感動は今でも忘れられなくて。やっぱりこの劇団が好きだ、お客様あっての自分たちだというのがヒシヒシと感じられましたから」
　そして今年９月28日からは、ワハハ本舗40歳記念全体公演『シン・シンワハハ 40』がスタート。東京・シアターサンモール公演を皮切りに全国15か所を巡ります。
　「40年続けられたのは本当に奇跡。まずは応援し続けてくださるお客様がいらっしゃることが大前提。それに加えて、私たちが元気で舞台に立ちたいというエネルギーを忘れていないのも大きなポイントだと思います。みんな60歳を過ぎていますが、何があってもお客様に喜んでいただきたいという情熱だけは薄れていませんから！ 老体に鞭を打ちながら（笑）、最高のパフォーマンスをお届けしますので、ぜひ生でワハハ本舗を体感していただければと思います」

■プロフィール

女優／久本雅美

1958年大阪府出身。劇団東京ヴォードヴィルショーを経て、1984年に柴田理恵さん、佐藤正宏さん、演出家の喰始さんらと共にWAHAHA本舗を旗揚げ。舞台女優として活躍する傍ら『今夜は最高！』などのバラエティ番組でタレント業もこなし、幅広い世代に親しまれるように。現在『秘密のケンミンSHOW極』、『ヒルナンデス！』などにレギュラー出演中。

■インフォメーション

WAHAHA本舗40歳記念全体公演

「シン・シンワハハ 40」

構成・演出／喰 始　

出演／柴田理恵　久本雅美　佐藤正宏　梅垣義明 ほか　

日程／9月28日（土）～10月6日（日）　

会場／シアターサンモール　

料金（全席指定・税込）／前売9,800円※当日券は800円アップ、未就学児入場不可

【問】WAHAHA本舗（平日11：00～18：00）03-3406-4472