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芸能人インタビュー
- あらゆることに挑戦してきた50年の音楽人生。最終目標は究極のラブソング! 2022.04.18
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昨年、デビュー50周年を迎えた伊勢正三さん。「THE 伊勢正三」「伊勢正三の世界〜PANAMレーベルの時代〜」を同時リリースし、今年の5月には記念コンサートを控えます。「かぐや姫」から「風」、そしてソロまで、伊勢さんの音楽活動を振り返りました。
批判されても絶対妥協しなかった 80・90年代のライブ
伊勢正三さんが、『なごり雪』『22才の別れ』をつくったのは21歳の頃。『なごり雪』が初めて作曲も手がけた楽曲でした。
「瑞々しい感性の、あのひと時でしかできなかった歌」と、伊勢さんは振り返ります。
『かぐや姫』解散後は『風』を大久保一久さんと結成。風のようにいつも動いていよう、変化していこう、とアルバムを出す度に新しい音楽に挑戦し、よりよい環境を求めアメリカにも渡ります。 4枚目のアルバム『海風』では、洋楽の影響を受けながら日本的な音も取り入れ、オリジナリティーを追求しました。
「大久保君も僕もトークが得意ではないので、ライブでは挨拶も無しに僕がアドリブでいきなりギターを弾いて、彼がもっとやれ、と言うようにニコッと笑って、阿吽の呼吸でしたね」と、昨年逝去された相棒の大久保さんについて伊勢さんは懐かしそうに語りました。
1980年からはソロに転身。時代はデジタルへ移行し、最先端の技術にふれつつ、敢えて録音や音響技術が優れたアナログ機器を揃えるなど、よりオリジナルの音を探求していきます。
時代ごとにあらゆることに挑戦してきた伊勢さん。昨年発表したアルバム『THE 伊勢正三』では、70年代から2000年代まで貴重なライブ音源を聴くことができ、改めて伊勢さんの幅広い音楽性に驚かされます。小説のような繊細な詞の世界、骨太で洗練されたサウンド。しかし、迷走していると批判されることもありました。
「まさに僕の音楽人生は、『なごり雪』『22才の別れ』との戦いでした。今では反省していますが、ライブのセットリストから外すこともあった。特にAOR(アダルト・オリエンテッド・ロック)に凝り始めた80・90年代は、求められているのはこれではないんだろう、と後ろめたさを感じながら終わったライブの記憶もあります。ですが、当時のライブを聴いてみるとすごく新鮮なんですよね。音楽的に難しいことに挑戦していて、一生懸命、絶対に手を抜かずにやったんだな、という気持ちでいっぱいになります」
そして近年では、全曲書き下ろしのアルバム『Re-born』を発表。原点回帰して、ラブソングを綴りました。
「まさか60代でフレッシュ感のあるラブソングを書けるとは思わなかったです。『Re-born』の世界はまだ伝えきれていない、現在進行中の作品なので、是非多くの人に聴いてほしいです」これまでの感謝をこめて5月に50周年記念ライブを開催!
5月に開催する50周年記念ライブでは、新旧織り交ぜた伊勢さんの楽曲を楽しめます。もちろん『なごり雪』や『22才の別れ』も。
「一番慣れているはずなのにこの2曲が一番緊張するんですよ。懐かしさだけでなく、どの曲もまず自分が新鮮に感じて演奏し歌いたいです。50年も現役でいるなんて考えてもみなかったし、コロナ禍でも駆け付けてくれる皆さんには、必ず歌で感謝をお返ししたいと思っています」
長年人々の心に歌で寄り添い力づけてきた伊勢さん。最近では校歌の依頼も受けるそうです。
「皆で手拍子で盛り上がったり、カラオケを楽しんだり、作品として発表したり。どんなかたちでも、歌は人を励ましてくれます。『22才の別れ』は悲しい歌ですが、おそらく聴く人は悲しみに共感して慰められるんじゃないでしょうか。僕の最終目標は究極のラブソングをつくること。時代は移っても人を愛する気持ちや失恋の切なさは変わりません。そういう気持ちを忘れないでいたいですね」■プロフィール
ミュージシャン/伊勢 正三
1951年、大分県出身。1971年、第二期かぐや姫のメンバーとして、「青春」でデビュー。1975年、かぐや姫解散後に大久保一久と「風」を結成し5枚のアルバムを発表。1980年、ソロに転向し、1987年から6年間音楽活動を休止するが、1993年に復活。コンスタントにライブ活動を行い、2018年には16年ぶりのオリジナルアルバム「Re-born」を発表した。
■インフォメーション
50th Anniversary
伊勢正三 LIVE 2022
―渋公で逢いましょう―■会場/LINE CUBE SHIBUYA(渋谷公会堂)
■日時/5月22日(日)
16:15開場、17:00開演
■料金/7,500円(税込・全席指定)【問】キョードー東京☎0570-550-799