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芸能人インタビュー
- 幕はまだ下りない。ただひたむきに歌い続けた険しく幸せな私の道はつづく 2020.10.19
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1972年、ペドロ&カプリシャスの2代目ヴォーカリストとしてデビューした髙橋真梨子さん。新作『髙橋千秋楽』は48年間にわたる歌手活動の集大成となるオールタイム・ベストアルバムです。今作のために書き下ろした新曲や現在の心境をお聞きしました。
70年代~現在まで時代時代の名曲を年代ごとに収録
切なく激しい大人の恋愛模様、ドラマチックな歌の世界にひたり、忘れられない自分の思い出に重ね合わせる。髙橋真梨子さんの歌は時代を越え人々の心に寄り添い愛されています。
歌手として第一線で活躍し続け48年間。アルバム『髙橋千秋楽』はその集大成と言えるアルバムです。『ジョニィへの伝言』『五番街のマリーへ』などのヒット曲を出したペドロ&カプリシャス時代から、ソロとなった70年代。『for you…』『桃色吐息』など、ステージでも人気の代表曲を生んだ80年代。『はがゆい唇』『ごめんね…』などの名曲で実力派歌手として不動の地位を確立した90年代、そして深みを増す歌声でさらにファンを魅了している2000年代まで。最新楽曲を含む全67曲を4枚組C Dに年代別で収録しました。
「ここに収録したのはまだほんの一部なので、これをきっかけにいろいろなアルバムを聴いてもらえたら嬉しいです。でも、本当に長いこと歌ってきたと思います。こんな歌もあったなあ、て」
時代を彩ってきた数々の名曲が聴ける本作ですが、注目したいのは今作のために書き下ろした2曲。これまでの作詞は完全に創作と言う髙橋さんですが、今回初めて自分自身のことを綴りました。
「『やさしい夢』は年を重ね戻れない日々を思う少し切ない歌。そして『愛する人へのメッセージ』は、今の自分の心境を歌いました。これまで長い道のりを歩いてきましたが、この世の中の意味を知らないとこの先へは進めない。これからも続くこの険しい道は幸せ道だし、そして自分の道。最後のステージを降りた後も」思いがけない出会いで知る 歌から得る幸せ1979年から欠かさず開催している全国ツアー。新型コロナ感染拡大により今回は来年に延期となりましたが、髙橋さんは″最後の全国ツアー”と決めていました。
「延期は辛いですが、来年安心して皆さんにお会いできるのを願っています。このアルバムとツアーを一つの節目と決めたのは、一年間休んでみたら自分の中でどんな変化があるのか試してみようと思ったんです。これまで休みなく、ただひたむきに歌ってきました。私の歌を愛してくれるお客様への感謝を心に残してステージを終え家に帰る。そしてまたステージに上がる。一番大切なのは″普通に歌うこと”です。歌自体に込められたものがあるので、私が楽しんだり、喜びを感じてしまうとお客様にささり過ぎてしまうから」
確かな歌唱力のもとに築かれる豊かな歌の世界。″普通に”つまり歌を誠実に表現することを大切にする髙橋さんだからこそ、私たちは歌とまっすぐ繋がり感動するのでしょう。
″聴くのも楽しみではなく勉強のため”と、厳しい姿勢で歌と向き合ってきた髙橋さんですが、最近思いがけない出会いがありました。外出自粛期間中に空いた時間、ネットで出会ったライブ映像に夢中に。すっかり彼のファンです、と髙橋さんは目を輝かせます。
「ファッツ・ドミノというミュージシャンなんですが、大きな体でピアノを弾きながら歌う姿が可愛らしくて。彼の歌を聴いていると本当に幸せな気持ちになるんです。残念なことにすでにお亡くなりになっているのですが、もっと早くファンになっていたら手紙を送れたのに」
人生はなにが起こるか分からない。「先はまったくの白紙」と言う髙橋さん。道はどこに続いていくのか、幕はまだ下りません。■プロフィール
歌手/髙橋真梨子
福岡県博多出身。ジャズプレイヤーだった父親の影響で、14歳からジャズの勉強を始める。1972年、ペドロ&カプリシャスの2代目ヴォーカリストになり、翌年「ジョニィへの伝言」でレコードデビュー。1978年、ソロデビュー以降も「for you…」「桃色吐息」「ごめんね…」など数々の名曲を発表し、精力的にコンサートツアーも開催。来年に延期となったが42年連続44回目のツアーを控えている。
■インフォメーション
All Time Best Album
「髙橋千秋楽」
VICL-65375~8
発売元:ビクターエンタテインメント
発売価格:4,500円(税込)