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芸能人インタビュー
- 若い頃には感じなかった今を大切にする気持ち。最期の瞬間までロックンローラーでいたい 2018.04.10
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ロックンローラー、俳優として74歳になった今も現役を貫く尾藤イサオさん。仕事することで自然と体調管理に気を遣い、変わらない若々しさにつながっているようです。4月12日から明治座での再演が決定したオリジナルミュージカル『ザ・デイサービス・ショウ』についてお聞きしました。
プレスリーに衝撃を受けて60年余り。ロックが何か分からない
13歳で『ハートブレイク・ホテル』をうたうエルビス・プレスリーに衝撃を受け、18歳でロカビリー歌手としてデビューした尾藤イサオさん。それから半世紀以上が経ちましたが、年齢を感じさせないシャウトは圧巻。ロックンローラー・尾藤さんにとってロックとは何でしょうか? 「それが分からないんですよ。何なんでしょうね、ロックって。分からないからこそ、ずっと惹かれているのかな」 尾藤さんが憧れ、追い求めるロックさながらの弾けたミュージカルが『ザ・デイサービス・ショウ It's Only Rock'n Roll』です。2015年に初演が行われ、年齢や常識の壁を壊す内容に「こんな元気な年寄りになりたい」「観れば世の中も社会も明るくなる」などの反響が相次ぎました。再演を望む声も多く、4月12日に明治座で再び幕を開けます。 「お客さんの温かい声援、4度目の公演、そして明治座での再演が決まったことは本当にありがたい限りです。(中尾)ミエちゃんは初演時と同じメンバーが揃わなければ、再演しないと言っていましたが、今年もキャストは元気そのものですよ!(笑)」
人生後半をどう生きるか。挑戦する人を後押しするミュージカル
デイサービス施設を訪れた往年の大スター・矢沢マリ子(中尾ミエ)。しかし、そこで目の当たりにしたのは無気力な高齢者の姿でした。そんな彼らが心に秘めた〝思い〟を見抜いたマリ子は、高齢者だけのロックバンド結成を提案。おじいちゃんとおばあちゃんたちは輝きを取り戻せるのか─。 結成したバンドメンバーの平均年齢は実に約75・4歳。ステージでは実際に楽器を演奏し、ミュージカルでありながらコンサートのような盛り上がりを見せます。また、この演目のために楽器習得に挑んだキャストもいるなど、人生後半戦をどう楽しみ、いかに生きていくかを身を持って示すような内容となっています。 「80歳を過ぎていらっしゃる共演者もいますが、みなさん本当に元気なんですよ。地方公演に行ってもじっとせず、ホテルに着くなり健康センターに繰り出すほど。再演が決まるたび、先輩達からいい刺激をもらっています。だから、観客のみなさんも舞台上で弾ける私たちを見て、何か感じるものがあればうれしいですね」 お笑い界やミュージカルなどの大御所の奮闘も見どころですが、錚々たるキャストを取りまとめるのが中尾ミエさん。主役を務めるだけでなく、プロデューサーとしても情熱を注ぐ姿に、尾藤さんは懐かしさが込み上げます。 「ミエちゃんと初めて出会ったのが55年前。渋谷のジャズ喫茶テアトルだったかな。あれから随分経ちましたが、ミエちゃんは今も変わりません。舞台でうたう姿を見れば、誰もが懐かしいあの頃にタイムスリップするんじゃないかな」 新しい夢へと向かう高齢者を笑いと涙で綴った本作。はじまりの季節・春に夢へとチャレンジする、すべての人々の背中を力強く押します。尾藤さん自身も、若き日に抱いた夢への情熱は決して冷めません。 「若い頃は思いませんでしたが、〝今〟を大切にしたい気持ちが日に日に増しています。誰でも最期を迎えますが、その瞬間が訪れるまでロックンローラーでいたい
■プロフィール
歌手・俳優/尾藤 イサオ
1943年東京都生まれ。62年に歌手としてデビュー、65年に発表した「悲しき願い」、70年「あしたのジョー」が大ヒット。その後、ミュージカルでも実力を認められ、80年「ファニーガール」で菊田一夫演劇賞を受賞したほか、テレビや映画など多方面で活躍している。
■インフォメーション
≪オリジナルミュージカル≫
ザ・デイサービス・ショウ2018
It's Only Rock'n Roll■作・音楽/山口健一郎
■演出・振付/本間憲一
■出演/中尾ミエ、尾藤イサオ、
光枝明彦、モト冬樹、正司花江、 初風諄、田中利花 他
■日程/4月12日(木)~15日(日)
■会場/明治座
■料金/S席:10,000円、
A席:5,000円(全席指定・税込)【問】明治座チケットセンター03-3666-6666