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芸能人インタビュー
- 人生も〝仮縫〟の最中は何度でもやり直せる。そんな希望と勇気を舞台から届けたい 2018.04.16
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デビューから48年、女優として映画や舞台で数々の名作に出演してきた高橋惠子さん。年月を重ねた美しさに加え、その演技力はますます深みを増しています。そんな高橋さんが、華やかなファッション界の女たちを描いた舞台『仮縫』に出演されます。。
有吉佐和子原作の小説『仮縫』が明治座で華麗に開幕!
「お話をいただいた時はまだ台本もなくて詳しい内容もわからない状態でした。でも明治座で、しかも共演が檀れいさんや古谷一行さんと聞いて。これだけ条件が揃っていて、私をご指名なら、きっと大丈夫だろうと思って直感でお引き受けしました(笑)」 しっとりとした言葉使いと優しい笑顔で舞台出演の経緯を話す女優、高橋惠子さん。今回高橋さんが出演されるのが、明治座五月公演『仮縫』。有吉佐和子原作の小説の舞台化です。物語は高度経済成長期の日本、洋裁学校に通う清家隆子(檀れい)が、日本で唯一のオートクチュールであるパルファンのデザイナー・松平ユキにスカウトされることから始まります。上流社会の煌びやかな世界に圧倒されつつも隆子は懸命に働きユキの信頼を得ていくが、隆子はいつしかユキの持つ全てを手にしたいという欲望に駆られる。 高橋さんが演じるのは、原作でも知性と美貌を併せ持つ女性として一際存在感を放つ松平ユキ。凛とした佇まいや気品、美しい言葉使いなどから想像されるユキ像はまさに高橋さんそのものと思えるほど。高橋さんは「そんなことありませんよ」と笑います。 「接点は同じ女性というくらい(笑)。ただ私も表現者ですから、ユキがデザイナーとして当時の最先端をいく場所で学び、自分を高めたいという気持ちは分かります。でも最初から誰かを利用しようと企む女性ではないように思うんです。隆子の野心に〝ちょっと…〟ってユキなりの答え方をする。今はまだ想像するだけですが、隆子との感情的なぶつかり合いではなく、キャリアや格の差、人間の持つ業みたいなものも表現できれば、ユキの魅力につながると思います。難しいですがとても演じ甲斐のある役です」
したたかな女たちの生き様が教えてくれる人生の仮縫
眩い上流社会を豪華な衣裳の数々が彩る今回の舞台。実力ある役者陣の競演など明治座ならではの贅沢な空間を楽しめる『仮縫』。高橋さんは他にも「この舞台では皆さんきっと勇気や希望を感じられるはずです」と自信をのぞかせます。そしてそれはタイトルの『仮縫』からも感じ取れると高橋さんは言います。 「服を作る時、仮縫ってとても大事だしわくわくしますよね。まだ仕立てられていないけれど、仕上がったらどんな感じかしら? どこに行こうかしら? と想像をする余地があります。人生ってきっと、誰だって今も仮縫の最中じゃないかしら。役者にとって稽古という仮縫と、本番という本縫が繰り返されるようにね。人生が続く限り完璧なんてないですから。年齢なんて関係ありません。いくつになっても、もっと自分を高めようとか磨いていこうって思っている限り、明日は今日よりももっと良くなるはずです。仮縫の間であれば失敗しても何度でもやり直せるのですから。この舞台『仮縫』に流れるものもきっとそれだと思います。それぞれが色々あって、辛かったり哀しかったりしても、それでも先を見て、未来を切り拓く。自分の人生は、この仮縫を活かして本縫に入るんだっていう希望がある。それが観ている方に清々しさや勇気となって伝わり、明日からも頑張ろうって気持ちになってくれれば本当に嬉しく思います」
■プロフィール
女優/高橋 惠子
1955年北海道生まれ。1970年大映「高校生ブルース」主演デビュー。以降、映画、テレビドラマ、舞台、CMと第一線で活躍する。舞台では『藪原検校』『おんなの家』『細雪』など多数。舞台『雁の寺』『藪の中』において第10回読売演劇大賞 優秀女優賞 受賞 他、受賞多数。
■インフォメーション
明治座五月公演『仮縫』
原作/有吉佐和子『仮縫』(集英社文庫)
出演/檀れい、高橋惠子、葛山信吾、山本陽子、古谷一行 他
会場/明治座 期間/5月6日(日)~5月28日(月)
料金/S席:12,000円、A席:8,500円、B席:6,000円 ※全席指定・税込
【問】明治座チケットセンター(10時~17時)TEL.03-3666-6666