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芸能人インタビュー
- 見せるのは生きて来た道のり。それが役者としてできる僕の〝今〟であり〝全て〟なんです。 2016.12.05
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独特の存在感とキャラクターでお茶の間でも人気の酒井敏也さん。気負わない生き方の中には、役者としての信念があります。今回は、2017年1月に幕を開ける、ハイテンション・コメディ『スター☆ピープルズ!!』への思いをお話いただきました。
つかこうへいさんから教えられた役者としての在り方
「僕なんて役者としてはまだまだ」
やさしい眼差しでつぶやくように話す役者・酒井敏也さん。気弱な市民から、シェイクスピアの悪党、人知を超えた存在まで、酒井さんの演じる役の幅は驚くほど。しかもそれが役柄とぴったりとはまってしまう。役者を目指してつかこうへい事務所に飛び込んで以来、その不思議と人を惹きつける魅力が、酒井さんを唯一の存在へと押し上げました。それでも酒井さんの姿勢はどこまでも謙虚。
「つかさんには、お前ら何にも考えるな! ってよく言われました。きつい言い方ですが、つかさんは役者一人ひとりをちゃんと見ていて、ふさわしい台詞や演技を四六時中考えていたと思います。そのせいか、人気が出ても芸能人然とした素振りを見せるとすっごい怒るんです。人間に上下をつけるような発言や態度を嫌っていました。観客がいてスタッフがいて、皆に支えられて役者ができるんだし。奢りから成長できなくなった役者を見てこられたんでしょうね」
酒井さんは今でもつかさんからの教えを忘れずさまざまな役に向き合います。中でも役者としての心構えは大きく影響しているそう。
「つかさんは、役者の〝今の姿〟を見せることを心がけていました。生ものである舞台の上で、あなたは今どんな風に生きているの? その生き様を見せろと。そこにドラマが見えてくるから面白い。役者も同じだと思うんです。この人はどんな生活をして、どんな人生を歩んできたのだろう? って」
自分の中にある人間としての全てを見せる。美しさも醜さも、妬み嫉み、清らかさも汚さも全て。その感情を抱えたまま、生きてきた道のりを観客に提示する。酒井さんは「できることしかできないし、無理をしない」と笑いますが、その演技には「これが酒井敏也の全部」という思いがあり、そこにこそ観る者を惹きつける秘密があるのかもしれません。笑いと奇跡の王道エンタテインメント『スター☆ピープルズ!!』
そんな酒井さんが出演する舞台『スター☆ピープルズ!!』が2017年1月に紀伊國屋ホールで開幕します。
ある重大な危機に直面している、とある惑星から選ばれた7人の男たち。アビリティと呼ばれるあまり役に立たない特殊能力を持つ彼らは、宇宙船に乗り込み地球へと向かう。その道中、難破した宇宙船に遭遇する…。宇宙船内で巻き起こる事件を、笑いを散りばめて描くハイテンション・コメディ。酒井さんは地球に向かう7人の中の一人、グリッターを演じます。
「今回は池田純矢という若き才能にすごく惹かれました。本当にどんな人だろうって思わせるミステリアスな魅力の持ち主。演技も達者だし、彼の創る芝居も面白い。『スター☆ピープルズ!!』もかなりユニーク。役者の個性でどんどん面白くなる物語だと思います。それにとても分かりやすい王道のエンタテインメントなので安心して観られます。逆に役者が、先の見えない展開を作り出して観客を引きこまなくちゃいけない。僕も良い意味で開き直って、これが今の人間として、役者としての酒井敏也の全てですという思いでぶつかります。とにかく池田純矢の才能を観に来てください。今、観るべき才能だと思います。僕はいいですから(笑)」■プロフィール
役者/酒井敏也
さかい・としや 1959年岐阜県生まれ。つかこうへい事務所のオーディションに合格。存在感ある演技に加え、独特のキャラクターで人気を博し、つか作品だけでなくジャンルを超えて活躍。舞台『劇団扉座第59回公演歓喜の歌』、映画『市民ポリス69』他、テレビドラマ、CMなど出演多数。
■インフォメーション
エン*ゲキ#02『スター☆ピープルズ!!』
作・演出/池田純矢
出演/鈴木勝吾、透水さらさ、赤澤燈、井澤勇貴、吉田仁美、オラキオ、池田純矢、酒井敏也
会場/紀伊國屋ホール
日程/2017年1月5日(木)~11日(水)
料金/S席:6,800円 全指定・税込
【問】サンライズプロモーション東京 0570-00-3337