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芸能人インタビュー
- 情けは人の為ならず─福島の方からいただいた温かい言葉に何より元気をもらいました 2016.08.22
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清々しい立ち姿と年を追うごとに増す色気。佐々木蔵之介さんは映画やドラマ、舞台など多方面で活躍。一昨年に出演し、ブルーリボン賞作品賞などを獲得した時代劇映画『超高速!参勤交代』の続編の制作が決定。佐々木さんは「また、走るんか」と笑います。
参勤交代を描いた痛快時代劇がパワーアップして帰ってきた
ユーモアたっぷりでインタビューに応じた後、ひとつ大きく息をつく佐々木蔵之介さん。「よっしゃ」と小さく気合いを入れ、颯爽と撮影に望みます。朝ドラ『オードリー』で注目されて以来、各方面から引っ張りだこ。昨夏に舞台『マクベス』でひとり20役をやり遂げ、役者として大きく飛躍を遂げました。
「最初はビビっていましたけど、いざ始まったらいつもより楽って思えました。そんなはずはないんですけどね。キツくても、きちんと正面から向き合うことが大切。勝っても負けても前に進めますから。それにやればできることだから、僕に課されている」 これまで求められた役に果敢に挑んできた佐々木さん。ハマリ役のひとつが時代劇映画『超高速!参勤交代』(14年公開)で演じた、貧しくも民のために身を削る湯長谷藩の藩主・内藤政醇です。老中の思惑で無謀な参勤交代を強いられますが、政醇らは知恵と根性で乗り切って老中を失脚。時代劇の型にとらわれない発想でロングヒットしましたが、続編が決まったとき随分と驚いたそうです。
「行きが〝参勤〟で帰りが〝交代〟。だから交代の第二弾を撮りましょうって。また走るんかって思いましたよ。続編は前作の1カ月後の話です。超高速で決まりましたね」 その名も『超高速! 参勤交代リターンズ』。失脚したはずの老中の謀略により湯長谷藩で一揆が起きます。〝参勤〟で金も体力も使い果たしたなか、参勤交代の慣例に従いながら〝飲まず、食わず、眠らず、休まず、止まらず〟を合言葉に藩へ急いで戻りますが、一行に刺客が差し向けられて…。はたして政醇たちは藩の平和を取り戻せるのか。前作以上に過酷な撮影だったと佐々木さんは振り返ります。
「暑いなか前作より走るわ、激しい太刀回りも増えるわで大変でした。衰えを感じる役者もいるなか、パワーアップしていたのが猿の菊千代。体が大きくなり、演技も成長していましたよ(笑)。でも撮影がハードだった分、本格的なアクションシーンに仕上がりましたので、ぜひ観てもらいたいですね」 男たちは前線で刺客と闘い、女たちは愛する故郷を守るために長槍を手に取る。実直でたくましく生きる、いわきの人々の強さと優しさも描いています。
「姫様役の深田(恭子)さんには周りの男たちが頼ってしまうような芯の強さ、母性、懐の深さがある。富田(靖子)さんは、男でも慌てふためく場面も肝っ玉で乗り切ろうとする。時代に関係なく女性は強い。必死に国のため、誰かのために頑張る人々。なりふり構わない彼らの姿はときにおかしく、そして心打たれると思います」
前作は物語の舞台であるいわき市などでロングランを記録するなど、地元住民をはじめ時代劇ファンの心も掴みました。今作では、現地の小名浜や150人の地元エキストラと無形民俗文化財「じゃんがら念仏踊り」に興じるなど、いわきに根付いた文化と人々の温かみがスクリーン越しに伝わってきます。
「じゃんがらは長閑な場所で撮影し、本当に江戸時代の殿さまになったような気分にさせてもらいました。この作品は東北を元気にしたいという思いを込めて制作したのですが、前作を観た福島の方から感謝の言葉をいただきました。今回は撮影でもお世話になり、〝情けは人の為ならず〟という言葉が本当に身に沁みましたね。僕たち俳優は、お客さんの温かい言葉に何よりも元気をもらっていますから」
ヘアメイク西岡達也(vitamins) スタイリスト勝見宜人(Koa Hole inc.)
■プロフィール
俳優/佐々木 蔵之介
1968年京都府生まれ。劇団『惑星ピスタチオ』の看板俳優として活躍し、NHK連続テレビ小説『オードリー』で注目される。映画、テレビ、舞台で活躍し、『超高速!参勤交代』(14年)で日本アカデミー賞優秀主演男優賞を獲得。
■インフォメーション
「超高速!参勤交代リターンズ」
9月10日㈯ 全国公開
■監督 本木克英
■出演 佐々木蔵之介、深田恭子、伊原剛志 他