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芸能人インタビュー
- 女優として新鮮であり続けるために、感謝の気持ちを忘れずに心を込めて演じたい 2014.04.21
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日々感謝を忘れずに生きると話す女優・賀来千香子さん。年齢を重ねても変わることのない美しさに加え、女優としてますます演技にも磨きがかかります。そんな賀来さんに、6月に明治座で幕をあける舞台「細雪」についてお話をうかがいました。
■舞台「細雪」の再演には、感謝と真っ白な気持ちで臨みたい
「再演は緊張しますね」。丁寧に言葉を選びながら、賀来さんは6月に幕を開ける舞台『細雪』について話します。控えめでありながらも迷いのない言葉と、まっすぐな眼差しから舞台への熱い想いが感じられます。 「今回は一度自分を白紙に戻したいと思っています。新鮮な気持ちで本を読み直し、心新たにのぞみたいんです。幸子という役をこれまで何度も演じ、深く掘り下げてきました。お陰様で、自分の中にしっかりと宿ったものがたくさんあります。 それが私から消えることはありませんが、掘り下げることに目を向け過ぎると、本来、感じなければいけない幸子の気持ちが見えなくなってしまうようで」 だから今回は、新鮮で真っ白な状態がいい。そこから見えるもの、感じることを大切にしたいと言います。 「何より『細雪』は名作ですし、代々素晴らしい女優さんたちが演じてこられた作品です。和のお芝居が少なくなる中、明治座での再演に呼んでいただき、驚きとともに感謝の気持ちでいっぱいです」
■日本の和の〝きれい〟を見事に表現。儚くも美しい四姉妹の物語
物語は昭和十年代の大阪・船場。徳川の時代から続く木綿問屋・蒔岡商店。戦争の影が忍び寄る中、蒔岡家の四姉妹はそれぞれの道を力強く歩んでいく。谷崎潤一郎の不朽の名作『細雪』が新たなキャストを迎えて上演されます。賀来さんは再び次女・幸子を演じます。 賀来さんは幸子について、翻弄され奔走する、心清らかな女性だと感じています。 「姉妹や蒔岡家のバランスをとる潤滑油のような存在。物語の語り部でもある大切な役だけに、演じられるのはありがたいです。心のきれいさ優しさを大切に演じます」 劇中、特に大事件が起きるわけではなく、蒔岡家の日常が丁寧に描かれます。賀来さんはそこに忘れかけている日本の美しさを感じると言います。 「独特なまろやかさのある〝船場ことば〟だったり、着物や桜。そういった日本の美しい風景まで見えてくるようです。着物を虫干しする場面などは美しいと同時に、どこか懐かしくて忘れたくない風景です。そういった事すべてが詰まった舞台です」 だから今回の舞台『細雪』は〝きれい〟であることが大切なのだそう。 「本当にきれいな舞台です。物語の世界観も、そこに生きる人々もすべて。それを表現するために、役者を含めて舞台空間そのものがとてもきれいです。ぜひそんな和の世界をご覧ください」 賀来さんは舞台『細雪』に出演できて本当に嬉しいし、ありがたいことですと満面の笑みで話されます。印象的だったのは、何度も口にした感謝の言葉。それは、小さい頃から続いている、一日の終わりにお祈りをする習慣も影響しているのだそう。 「その日無事だったこと、仕事ができたこと、出会った人、出来事すべてに〝ありがとうございます〟って感謝するんです」 華やかな女優の世界、その陰にある厳しさや苦労。それら全てを賀来さんは自身の糧として感謝とともに受け止めます。すてきな笑顔はそんなきれいな心から生まれるのでしょう。まさに、舞台『細雪』の心を体現したかのようです。 最後に力を込めて話した「心を込めて、魂を打ち込んで演じます」という言葉が賀来千香子さんの生き方のように輝いていました。
◎ヘアメイク/森川丈二 スタイリスト/三塚亜以子
◎衣装協力/カーディガン(レ・コパン)/サン・フレールトップス・レーススカート(シー ニューヨーク)、ネックレス(J.クルー)/ブランドニュース
[サン・フレール]千代田区二番町11-19 興和二番町ビル1階☎03-3265-0251
[ブランドニュース]渋谷区渋谷1-19-8 岡田ビル5階☎03-3797-3673
■プロフィール
女優/賀来千香子
かく・ちかこ 1982年「白き牡丹に」で女優デビュー。その後「ずっとあなたが好きだった」「ヤメ検の女」等数々の話題作に出演。現在も第一線で活躍している。近年は舞台にも精力的で、その存在感で観客を魅了している。
■インフォメーション
明治座6月公演
『細雪』
原作/谷崎潤一郎(中公文庫版)
脚本/菊田一夫 潤色/堀越真 演出/水谷幹夫
出演/高橋惠子、賀来千香子、水野真紀、
会場/明治座
公演日/6月1日(日)~6月27日(金)
料金/S席:13,000円、A席:6,000円 ※全席指定・税込