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芸能人インタビュー
- 自分の人生の経験を、最大限活かすことができる役者業。何事も愉しみ、面白がりたい 2013.09.17
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映画、ドラマ、舞台など、女優として幅広く活躍している松田美由紀さん。ひまわりのように周りを明るくする笑顔だけではない、眼差しの奥から芯の強さが感じられる。そんな松田さんが「町起こしになる映画にしたい」と語る、熊本県天草市が舞台の映画『女たちの都』で力強い女性を演じる。
■自分が生きてきた さまざまな経験が 役者業に繋がる
「役者は多くの人の人生を生きることができます。喜びも哀しみも、人の何倍も体験できる。違う人間になれる所が喜びです」 まっすぐ向けられた眼差しと、時折見せるキュートな笑顔が印象的な松田美由紀さん。どんな質問にも熟考しながら自分の言葉で、ていねいに答えてくれた。その真摯な姿から、ゆるぎない信念が伺われる。 「役者は自分の生きてきた経験が最大限活かせる職業です。自分が悩んだことや喜んだこと、さまざまな心の変化すべてが役者業に活かされ、役に投影されていきます。自分の人生そのものが、自分の職業に深く繋がっている。これってすごく面白いことですよね」 興味を持ったら一直線。松田さんは女優だけにとどまらず、写真家・映像監督・アートディレクションを手掛けるなどクリエイティブな分野でも活躍している。 「自分が見たいものを作りたい。今まで表側ばかり見ていましたが、裏側に回ると見える風景が違います。挑戦してみると色々な角度から物事を見ることができます。自分を解放していく感覚に近いかな」 松田さんが写真やデザインを勉強し始めたのは40歳を過ぎてから。「挑戦することに歳は関係ない」と笑い飛ばす。
■町に再び活気を! 九州の肝っ玉女性を描いた『女たちの都』
そんな松田さんが、10月公開の映画『女たちの都』で、未来に突き進む逞しい女性を演じる。|舞台は熊本県天草市。漁業と花街で栄えた歴史ある町が、今や一転、過疎化や経済悪化などから衰退都市に。働きもせず口ばかり達者な男たちを尻目に、町に再び活気を取り戻そうと「花街復活」に立ち上がる女性たち。愛情と気力溢れる女たちが織り成すユーモラスな社会派人情劇だ。 主人公・弓枝を演じるのは大竹しのぶさん。弓枝と共に難題を突破していく仲間・ゆり子を松田さんが演じる。 昔からの友人だった大竹さんとの共演を楽しみに「天草の人たちが喜ぶ映画を作りたい」と撮影に臨んだ松田さん。「九州の熱い包容力のある女性をイメージしました。天草で仲よくなった女性を見て、『この人になればいいんだ』って。その人をずっと観察していましたね(笑)」 本作は「花街復活」にやりがいを見つけて輝きだす女性たちの力強さを描いている。 「女性の役割ってものすごく大きいんですよ。家庭でも、子どもを産んだり、育てたり…。女性は家をパァーっと明るくさせる力を持っている。その力は家庭だけではなくて、地域、社会、そして国や地球にとっても重要だと思うんです。小さな世界だから認知されにくいですけど…そのパワーを感じていただきたいですね」 一か月間続いた天草での撮影。町の人たちとの触れ合いも忘れられないと松田さん。 「天草の方たちが毎日美味しいご飯を作ってくれたんです。本当に町の方たちの協力で成り立った映画。実は私は天草一番の人気者だったんです(笑)。『あそこのラーメン屋が美味しいわよ』とか色々教えてもらって。撮影が終わってからも何度か天草に足を運んでいます」 そんな密接な関係を築いた天草の人たちとの共演も見所。ラスト、1000人を超える天草のエキストラとともに「ハイヤ踊り」を踊るシーンは圧巻。ぜひスクリーンで堪能して欲しい作品だ。
■プロフィール
女優/松田美由紀
まつだ・みゆき 東京生まれ。'79年映画『金田一耕助の冒険』でデビュー。以降、演技幅の広い女優として映画、ドラマ、舞台で活躍。また、『松田優作全集』のアートディレクションを手掛けるなど、写真、映像などの制作活動も精力的に行う。待機作に、舞台「フローズンビーチ」('14年1月23日~神奈川芸術劇場、他公演予定)がある。
■インフォメーション
『女たちの都 ~ワッゲンオッゲン~ 』
■ 監督/禱映 ■ 出演/大竹しのぶ、松田美由紀、杉田かおる、西尾まり、ブラザートム、遠藤憲一、中村有志、長山藍子 他 ■ 10月シネスイッチ銀座ほか全国順次公開