アクティブなシニアライフを応援する情報サイト
芸能人インタビュー
- さまざまな場面でもらった確かな言葉の数々。それが、今の僕を作ってくれました。 2008.12.28
-
コメディアンとして役者として、ドラマに舞台に歌にと幅広い活躍で人気の小堺一機さん。年明け、日本初演となるミュージカル『ドロウジー・シャペロン』では、物語の重要な役『椅子の男』を演じます。その見どころやご自身についてのお話を伺いました。
願ってもない機会!!惚れ込んだミュージカルへの出演。
日々きらびやかな世界が広がるブロードウェイで、ミュージカルを愛してやまない人々から圧倒的な支持を集めた話題作、『ドロウジー・シャペロン』。日本初演となる本作は、新春の日生劇場を賑やかに飾ります。物語の進行役『椅子の男』を演じるのは、今や日本のミュージカルシーンに欠かせない小堺一機さん。そんな小堺さんは大のミュージカルファンでもあります。「毎年、勉強会という名目でブロードウェイにミュージカルを観に行きますが、『ドロウジー・シャペロン』は特にミュージカル通の友人にも高評価だったんです。実際観にいったら、もう期待以上に面白くて」と、少年のように夢中で話す小堺さん。本作が日本でも公演することになったと聞き、まず最初に“観たい”と思ったそうです。
「日本版楽しみだなぁ、なんて思っていたら、出演のお話が! しかも役が『椅子の男』だったので嬉しくて。それに演出は亜門さんだと聞いて、『やるやる!! やるって早く返事してきて!!』って飛びつきましたね(笑)。僕の役は、ブロードウェイ好きの冴えない中年男。彼が『ドロウジー・シャペロン』というお気に入りのミュージカルの話を始めると、彼の部屋が劇場に早変わりし、そこでくるくると物語が展開していく。ドカッと笑える場面もあり、心があったかくなる話なんです」
さまざまな経験が芸を磨く。一流から学んだ大切なこと
ミュージカルを含めエンターテイメント性の高い舞台には引っぱりだこの小堺さん。“歌も踊りも学んではいましたが、ミュージカルに出演できるなんて光栄です”と、本人は至って謙虚。勝新太郎さん、堺正章さんから多くを学び、中でも萩本欽一さんには恩を感じているといいます。「大将(萩本欽一さん)にはいろいろ教えていただきました。あるとき、コメディアンなのに歌の一つも歌えない、ダンスもできないのかと怒られ、ダンスを習いました。すると舞台での立ち方や所作が分かるようになったんです。それまでは芝居をするとき、手が邪魔でポケットに入れたり、ただ立って“居る”という芝居が難しかった。それがダンスを習い、自然に立ち振る舞えるようになったんです」
こうした教えをすべて自分の芸に取り込み、出来上がった“小堺一機”という存在。映像でも舞台でも、相手の投げるすべてを拾い、打ち返す技量こそが、幅広い分野で活躍し続ける小堺さんの魅力なのでしょう。
「僕らにとっての勉強は、見聞きしたり食べたり、感じたりすることすべてなんです。そのすべてを自分の血肉にすることができれば、台本から逸脱せずに、あそびを加えた演技もできる。お洒落な人が少し服を着崩す感じと似てますよね」
ただ客前が好き。直に伝わり、直に反応が感じられるから
今回のミュージカルでは、演出家の宮本亜門さんを始め、多彩な役者が一同に揃います。
「以前、亜門さんとご一緒したとき“演劇人に見えない”と言われたんです。その言葉でハッとしました。どこかに照れがあって、正面を向いて演技していない自分に気づかせてくれたんです。役者が気づかない本人の魅力などを引き出してくれる、亜門マジックなんですね。特に僕は、亜門さんの“言葉”が好きなんです。『この曲はメロディーが綺麗なので、綺麗に歌おうとしなくていいです』とか、変に観念的ではなく、しかしむき出しでもない言葉が、スッと心に伝わってくるんです」
役者に司会者にコメディアンと、さまざまな仕事の中で、舞台とはどのように向き合っているのでしょうか。
「僕の中ではミュージカルやテレビの仕事に垣根があるわけではなく、ただ客前が好きなんです。すぐそこにお客さんがいて、ダメなときも拍手喝采してくれるときも、反応を直に感じられるのが怖いし、楽しいんです。今回の舞台も、よくできている脚本をよく噛んでお腹に入れる。そうすれば、変な小技を使わなくてもその役になれると思っています。僕にとっては思い入れの強い役ですが、自分の中で決めつけていかずに、共演者と一緒に作り上げていきたい。人まかせみたいですが、あとは舞台の神様が包装紙をつけてくれるんじゃないかな」
100分間ノンストップで展開する『ドロウジー・シャペロン』。小堺さんのお勧めする見どころとは、どんなところでしょうか?
「全部です(笑)。次から次へと展開が早く、笑いあり涙ありのストーリーです。亜門さんとも話していたんですが、『高級料亭のまかない料理みたいなミュージカルだよね』って。お客さんには出さないけど、実は一番美味しい料理。そんなミュージカルを“好評につきメニューになりました”と一般公開(笑)。是非、味わいに来て下さい」
プロフィール
コメディアン/小堺一機
こさかい・かずき 1956年千葉県生まれ。'77年『ぎんざNOW』の素人コメディアン道場でチャンピオンに輝き、芸能界入り。テレビ番組『ライオンのいただきます』の司会者としてお昼の顔に。毎年8月公演の自主企画『おすましでSHOW』は20回を超える。
ブロードウェイ・ミュージカル
『ドロウジー・シャペロン』
2009年1月5日(月)~29日(木)日生劇場(東京・日比谷)
長崎、富山、名古屋、大阪公演あり
■ 主催:日本テレビ/ホリプロ
■ 演出/宮本亜門
■キャスト/藤原紀香、木の実ナナ、川平慈英、小松政夫、中村メイコ、小堺一機、他
■S席:12,600円 A席:8,000円 B席:3,000円(全席指定・税込)
【オンラインチケット】
こちら(携帯&パソコン)
【問】ホリプロチケットセンタ-
03-3490-4949