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芸能人インタビュー

森永卓郎  B級グッズコレクター  2008.09.08
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 経済から秋葉原のオタク文化まで語れる森永卓郎さん。TVコメンテーターや大学教授として活躍する一方、「ペットボトルの蓋」「ガムの包み紙」などのB級グッズコレクターとしての顔も持っています。多くの人が目を振り向けないものに、価値を見い出すことが“モリタク”流マイウェイ。生きがい探しに悩む中高年に対し、「悩んでいるなら、B級グッズを集めましょうよ」と呼びかける森永さんに話をお聞きしました。

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グッズ収集はライフワーク
忙しくても「集まらない日はない」

 「ミニカー」「グリコのおまけ」「消費者金融のティッシュ」「弁当に入っている醤油入れ」…。森永さんのコレクションは驚くようなものばかりです。生活に身近な場所にあり、どこか親しみを感じさせます。ご自身が「B級グッズ」と呼ぶコレクションは今や50種類・10万点を超え、これらを収納するための「おもちゃの舘」をベストセラーの印税で建設して話題になりました。そんな森永さんのコレクション収集のきっかけは、有名コレクターとの出会いにありました。

 「北原照久さん(※1)とバラエティ番組で共演していた頃、北原さんはコレクションを持ってきて私に自慢してくるんですよ。いつだったか、ビリケンのコレクションを持って来られたんです。私はビリケンを初めて見て、何これって思ったんですよ。それでも毎回ビリケンを持ってきて、北原さんが『ねぇ、かわいいでしょ』って言う内に、不思議とかわいく見えてきたんですよ。北原さんの感性に刺激され、私のコレクション熱が高まりました。

 ただ、北原さんは『お洒落、かわいらしい』というコレクションが多いのですが、私は他人が『何それ』っていうものばかりです。一度、鑑定番組でみてもらったら、ミニカー以外は鑑定不能と言われました。ただ、私はB級グッズをアートだと信じています。どんなB級グッズでも数が集まるとモノ自身が歴史を語り始め、美しさが溢れ出します。人に『何だこれは!?』と思わせるものがアートですよね」

 平日の早朝6時半からはじまるラジオの生放送、月間約30本の連載記事の執筆、テレビ収録、大学での講議、講演活動という多忙なスケジュールの中でも、コレクション捜しに抜かりはありません。仕事先や身の回りはもちろんインターネットやフリーマーケットにも注意を払い、「コレクションが集まらない日はない」と胸を張ります。

 「昔は周りにあれこれ言われましたが、今はもう諦めてますね。カミさんは私が持ってないものをスーパーで見つけてきてくれます。

 でも、マイナーすぎるコレクションは肩身が狭いことがあります。お茶の空き缶は、世間から『燃えないゴミを集めて何が楽しいの』という白い目で見られて…。それでネットで調べたら本気でお茶缶を集めている人が5人いたんですよ! 一度、コレクターの主婦の方に会いに行きましたが、話し始めた瞬間から盛り上がって親友のような気持ちになりました。互いの苦労が分かち合えたんでしょうね(笑)」
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年金暮らしの落とし穴。大切なのはお金よりも「生きがい」

 団塊世代の大量退職が始まり、退職金の運用、年金受給は高齢者が避けて通れないテーマです。森永さんがシンクタンクに勤めていた頃、高齢者の生活調査を行って気付いたことがありました。

 「生活資金の確保も大切ですが、生きがいを持っているかどうかが老後の生活を大きく左右するということです。2004年の制度改革によって年金は毎年0.9%以上ずつ18年間に渡ってカットされ、最終的に今より15%低い水準になります。今のサラリーマンのモデル年金は夫婦2人で280万円だから238万円に減るということです。カット率の上積みもあり、200万円程度に落ち込む可能性も考えられます。

 減額されるとはいえ、年金が入れば働かなくても暮らしていける。実はこれが一番の危険です。定年退職した途端、朝からテレビを見るだけの生活を続ければ、サラリーマン時代の積み重ねは数ヶ月でなくなります。人との接触が減り、活躍の場を失い、自分がどんどん必要とされなくなっていく。こうなると人は肉体的にも精神的にも急激に衰えます。

 先日、園田天光光さん(※2) とお会いしましたが、89歳にも関わらず、本当に元気で綺麗なんですよ。園田さんはブルガリアヨーグルトを日本で広め、今もその関連の仕事をされています。いろんな人との交流もあって未だに現役だから、輝いているのだと思います」

 生活者の目線を持ち、年収300万円時代の到来をいち早く予測した経済アナリストが今、中高年にB級グッズコレクションを勧める理由は何でしょうか?

 「本当はボランティアでも歴史研究でも、熱中する何かがあればいいんですよ。もし何も見つからず、生きがい探しに悩むのなら、B級グッズを集めてみたらどうかと思うんです。簡単に始められますし、基本的にお金はかかりません」

 ちなみに森永さんが勧めるB級グッズはペットボトルの蓋です。入手しやすく、日本で約1200種類あるためコレクション性も高い。そして小さいので保管場所に困らないという三拍子揃ったありがたいグッズだそうです。

 いつかはB級グッズ博物館を作りたいと話す森永さん。建設には莫大な費用がかかりますが、実現に向けて全てのエネルギーを注ぎ込む覚悟です。

 「試算したら約15億円のコストが必要だと分かりました。スポンサー探しで走り回ったんですが、それで分かったのは金持ちはB級グッズに関心がないということ。株で儲けた人もあたりましたが、用件を聞いてくるので『金を出して欲しい』と言うと、決まって相手は『会いたくない』って即答してきます(笑)。

 資金を出し合おうとコレクター仲間に呼びかけたのですが、『グッズは出すけど金は出せない』って言うんです。コレクターはすぐコレクションを買ってしまうからお金がないんですよ。それで仕方ないから自分で稼ぐこと決めました。さすがに15億は無理ですが、原稿を書いたり、テレビに出たりして夢の実現に向けて頑張っています」

 

【編集部注】※1:世界的な玩具コレクターでブリキのおもちゃ博物館館長。TVの鑑定番組や講演などで活躍 ※2:園田直・元外務大臣の夫人。NPO法人育桜会名誉会長、社団法人日本・ラテンアメリカ婦人協会名誉会長など、多くの団体役員を務める
 
<プロフィール>
もりなが・たくろう●1957年東京生まれ。経済アナリスト。東京大学経済学部卒業後、日本専売公社(元JT)、日本経済研究センター、経済企画庁、民間シンクタンクなどを経て、獨協大学経済学部教授に就任。「年収300万円時代を生き抜く経済学」(光文社)のヒットを始め、2008年2月に「B級コレクションのススメ〜しあわせの集め方〜」(産経新聞)を発刊。

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