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芸能人インタビュー

水森亜土さん インタビュー 2008.07.08
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ダンスを見ながら、お酒を楽しむ。
そういうミュージックホールのような、ちっちゃな劇場を作りたい。

 透明のアクリルボードに歌いながら両手で絵を描くというパフォーマンスで、鮮烈なデビューを飾った水森亜土さん。彼女の描くラブリーなイラストは人気を呼び、一世を風靡しました。

 ジャズシンガーに舞台女優と、今やその活躍はとどまることを知りません。イラストのイメージそのままのチャーミングな亜土さんは、まさに『マイウェイ』な生き方を実践していました。

日常の中に息づいたスケッチ 絵を描くことで夢を叶える

  「キャッホー!」。ジャズクラブ『銀座シグナス』の常連客と、陽気に挨拶を交わす水森亜土さん。綺麗な色彩の、可愛らしい女の子のイラストでお馴染みの亜土さんは、週に一度、都内でジャズライブを行っています。

 「今夜みたいに、バンドの演奏が素敵なときは最高に嬉しいです。音楽に酔いしれているときが一番幸せ」

 さまざまな分野で才能を発揮する亜土さんは、『劇団未来劇場』の看板女優としても活躍しています。

 「看板女優だから、看板ばっかり描いてるの(笑)。台詞を間違えるとみんなから氷のような視線が飛んでくるから(笑)、そうならないように稽古で厳しく鍛えています。私って、劇団お抱えの賄い係なのヨ。劇団員のために毎日ご飯を作っているの。包丁を持ったこともないような若い子ばっかりだから…。何十人もいるから、けっこう大変。でも、嬉しそうに食べているのを見ると、ついまた作っちゃうんですよねぇ」

 劇団の中で楽しそうにしている亜土さんの姿が、目に浮かぶようです。

 ちなみにイラストに出てくる八頭身の少女は、『劇団未来劇場』に所属しているダンサーたちがモデルなのだそうです。

 「うちには12人のダンサーがいて、毎年暮れとお正月にはレビューをやるんです。ナイスバディなダンサーたちが、網タイツを履いて長い手足を振り回して、控え室でダンスを練習しているの。その光景をずっとスケッチしているんだ」

 暇さえあれば絵を描いている、と亜土さんは続けます。

 「毎週、長野のアトリエに行くんだけど、そこでも山を描いたり、川を描いたりしてスケッチしています。冬には雪山を描くんだけど、実は雪山ってすごーく難しいの。ただ白く塗ればいいってもんじゃないのよ。絵はどこでも描けるから、描きためたスケッチがそれこそ山のように、たっくさんあるんです」

 亜土さんのイラストは可愛らしく、夢があり、幻想的な印象を与えます。

 「絵には、私の中にあるたくさんの憧れが詰まってるのかもしれない。小さい頃からずっと、ヌードダンサーになりたかったの。みんなが裸で踊っている姿って、とても美しくて素敵だと思わない? 見ていると、自分もああでありたい、って思うんだ。でも、私には足りないものが多かった。背もバストも、足の長さも…。だから私の理想の女の子を絵に描いて、それで自分を納得させてたのね。絵の中で夢を叶えてたのかもしれない」

人生で息切れしないために… 自分なりの充電方法を見つける

 「いつも何かにハマっているの」と笑う亜土さん。

 「今ハマってるのは、ポケット。服を買ってくるたびに、ポケットを縫い付けちゃいます。いつでもどこでも縫えるように、つねに指ぬきを持ち歩いてるぐらい。去年までは染め物にハマってて、特にアカシアブルーに染めるのが好きだった。アカシアブルーって、海の蒼さとはまた違う、苦悩のすべてが染み込んでいるような素敵な色なのよ。その頃は服や帽子、何でもかんでもその色に染めてました」

 自分で染めたレースのブラウスを着ていたら体に色が移り、全身が真っ青になっていたこともあるそうです。

 「色を落とすのに苦労したんだけど、大好きな色に包まれて気分はルンルン。その頃は、イラストの女の子にもブルーをたくさん使っていたの。ちなみに一昨年は、スパンコールにハマってました。ダンサーに負けないぐらい、衣裳にたくさんつけてたんです。これが好き! っていう思いのままにいろんなものに手を出してるから、趣味が広がっていく一方なのよ(笑)」

 好きなものの数が、年々増えていきます。いつも夢中になれる何かを持ち、まさに全力で人生を楽しんでいる亜土さん。ライフワークである絵に、歌に、芝居。多方面で平行して活躍し続けられるパワーは、どこから生まれてくるのでしょうか。

 「昔からお母さんに、『何かを始めたら最後までやり遂げよう!』って厳しく言われてたの。だから、やり始めたら止まらないんです。でも歌も芝居も、人前でやるとなると、楽しいばかりじゃいられないでしょ。プレッシャーや責任がついて回るし、もう緊張の連続。そういう日々のストレスを発散するために、真夜中に犬を連れてよく山へ行くんです。山の中で絵を描きながら歌を歌ったり、星や月を眺めながらワインを飲んだり。夏には体に緩衝剤を巻いて浮輪代わりにして、犬と一緒に湖で泳いだりします(笑)。そういう時間に、私はとても癒される。山へ行くのは私にとって、心を解放するためのひとつの方法なのね。弦楽器には『開放弦』ってのがあって、それを使うとどんな音よりも豊かな響きが得られて気持ち良いの。人生にも『開放弦』ならぬ『解放弦』があれば、もっと楽しくなるかもね!」

<プロフィール>

水森亜土(みずもり・あど)

東京都、日本橋出身。高校卒業後、透明のアクリルボードに歌いながら両手で絵を描く『歌のおねえさん』としてデビュー。可愛らしい猫や、キスをしている子どものイラストなどで、世間の人気を集める。イラストレーター、ジャズシンガー、劇団未来劇場の看板女優など、さまざまな分野で幅広く活躍中。

水森亜土ホームページはこちら
「劇団未来劇場」ホームページはこちら

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