アクティブなシニアライフを応援する情報サイト
芸能人インタビュー
- 松平健さん/俳優 インタビュー 2008.06.16
-
誰も知らないドラキュラの気高く、純粋な愛の物語をミュージカルで魅せます!
『暴れん坊将軍』などの代表作で知られ、時代劇の顔として圧倒的な存在感を持つ松平健さん。そんな松平さんが珠玉のラブストーリーとして生まれ変わった“ドラキュラ”を好演し、新たな一面を披露! ますます期待の高まる活動に今、注目が集まっています。
役者であるためには好奇心を持ち続け、引き出しを多く持つ
“松平健”といえば、時代劇において揺るぎない地位を確立した大スター。故・勝新太郎氏に見い出されて勝プロに入り、以来、演じることに常に真摯に向き合い、貪欲にキャリアを築いてきました。
「私が役者として心がけていることは、好奇心を持ち続けることです。勝先生からは芝居はもちろん、周囲に対する気遣いなど、人間の大きさに非常に影響を受けましたし、教えていただいたことも多かったです。ただ先生の破天荒なところはとても真似できません(笑)。
今でもよく覚えているのは、私が23歳で“暴れん坊将軍”をやることになったとき、先生から『安い居酒屋じゃなく、銀座の高級店で飲め』と言われたことです。これは、そういう店で飲む人たちをよく見て、将軍の役に活かせという意味だったのですが、つまり役者は引き出しが多ければ多いほどいい。新しい役を演じるとき、『そういえば昔、あんな人がいたな』っていう記憶と経験が役に立ちますからね。ですから若いときにできなかった役も今ならできる。これからはこの歳だからこそできる役に挑戦したいですね」
時代劇の大スター。しかしミュージカル好きという一面も
現在、時代劇だけではなく、テレビのバラエティー番組や舞台、映画と幅広く活躍されている松平さん。歌と踊りで新たな魅力を披露した『マツケンサンバII』の大ヒットは記憶に新しく、そしてミュージカル通としても知られています。二十歳の頃、映画で見た『ウエストサイドストーリー』に衝撃を受け、本場のミュージカルを観るためニューヨークに行くようになったといいます。
「ミュージカルは芝居をして感情が高ぶる場面で歌に入るので、歌と音楽によって観ている人により気持ちが伝わるんです。ただ純粋にミュージカルが好きだからというのもありますが、やはり最先端を行く本場のミュージカルを観るということは勉強になります。照明などの演出ひとつをとっても、芝居やショーに活かせるものがあれば参考になりますしね」
毎年新しいものも含め5、6本は観るという本場のミュージカル。ニューヨークで最初に観た『ドリームガールズ』と『コーラスライン』に非常に感銘を受け、ミュージカルで演じることについても関心が高まったそうです。
「ミュージカルは映像のように編集できないので、舞台での全てがお客さんに評価される。芝居に歌と踊りが加わるので、ストレートプレーとは違った緊張感があり、その分、やりがいもあります。もちろん生の舞台ですから直接お客さんが喜んでくれるのを肌で感じられますし。値段も高いので、損したな~って思われないようにしないとね(笑)。満足して帰ってもらうためには万全のコンディションで臨みます。健康管理にも気をつけていて毎朝、40分から1時間くらいのウオーキングは欠かしません。歩きながら、MDでミュージカルの歌を聴いて覚えたりね」
18年ぶりに出演のミュージカルの見どころとは
松平さんにとって『王様と私』以来18年ぶりの出演となる本格的ミュージカル、『DRACULA』-ドラキュラ伝説-。ヨーロッパを舞台にしたミュージカルは今回が初めてだそうですが、確かな演技と歌唱力で主役ドラキュラ伯爵を見事に演じています。“ドラキュラ”のどのような点に惹かれ、出演されることになったのでしょうか。
「このミュージカルのお話をいただくまで私が持っていたドラキュラのイメージは、怖くて残虐非道な吸血鬼というものでした。プロデューサーからドラキュラ役は是非、松平健でやりたいといわれたとき、イメージ通りの物語だったらお断りしていたと思うんです。しかしストーリーは斬新的で、とても人間的なドラキュラが描かれていました。
ドラキュラ伯爵が吸血鬼になるくだりでは、自分が国のために戦いにいっている間に最愛の妻が死に、神は本当にいるのかと嘆き悲しみ怒る。そして妻を蘇らせてくれるという悪魔の誘いにのってしまう。恐いくらいに愛することに純粋で、また弱い一面も持っているから、悪魔と取引をして吸血鬼になってしまうんです。そんな人間的な弱さを持つドラキュラに、私は素直に共感し、受け入れることができました。ですから役づくりではそれほど苦労しませんでしたね。とにかくこの新しいドラキュラ像を作る必要があったので、これまで持っていたイメージを全部払拭しました。衣裳も普通だと黒いマントですが、優しくて純粋な心を持つドラキュラ伯爵を演出するために白の衣裳を纏っています」
既存の映画や小説の“ドラキュラ”とは全く異なるミュージカル『DRACULA』。その見どころを伺いました。
「このテーマは愛です。最後まで愛を貫き通すところは、女性から見たら一番理想的な男性かも知れないですね。また、愛の歌ばかりではなく、怒りの歌など様々な歌が盛り沢山で、私はそのうちの12曲を歌っています。愛することに一途な、切なくて美しいドラキュラの物語を是非、観に来てください」
俳優/松平 健
まつだいら・けん 1953年生まれ・愛知県豊橋市出身。75年『座頭市物語』でテレビデビュー。代表作の『暴れん坊将軍』は25年間放送された長寿番組。2004年には『マツケンサンバII』で紅白歌合戦に出場。『DRACULA-ドラキュラ伝説-』東京 新国立劇場での公演は6月12日より。
「DRACULA」-ドラキュラ伝説- ~大塚製薬インナーシグナル Presents~
2008年6月12日(木)~22日(日) 新国立劇場 中劇場
【チケット】S席:11,000円、A席:9,000円(全席指定・税込)
企画・原案/赤坂雅之 演出/藤井大介 キャスト/松平健、鈴木綜馬、釼持たまき、大澄賢也、紫吹淳、他