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TVでも人気のスーパードクター 順天堂大学医学部教授 小林弘幸先生の健康講座
- 健康を引き寄せる身だしなみ 2025.03.25
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そろそろ春の装いに切り替わる時期です。みなさんは日頃のファッションに気を使っていますか。あくまで経験上ですが、年を取っても健康で元気な人は「おしゃれな人」「こぎれいな人」が多い気がします。他人の目に自分がどう映るかを全く意識しなくなったら、それは老後の始まりかもしれません。
とはいえ、他人の目ばかりを意識していると気疲れします。自律神経のひとつで車のエンジンにあたる交感神経は、きちんとした服装のときには働きが高まります。ただ、ストレスなどが重なるとオーバーヒートの一因にもなります。一方、ブレーキの役目を果たし、心身をリラックスさせる副交感神経は加齢と共に低下します。この働きを維持するためには、リラックスできる服装が望ましいです。
では、具体的にはどんな服装を心がけたらよいのか。「電車に乗れる装い」を基準にしてみてはどうでしょう。人前に出てもおかしくない服装であれば、必要に応じて気軽に外出でき、生活に張りが出てきます。反対によれよれの服装では他人の目が気になって外出が億劫になり、ひきこもりになるおそれすらあります。
身だしなみの基本は「鏡を見ること」です。よく化粧をする女性とは違い、男性とくに定年後は鏡を意識しなくなります。ヒゲは伸び、鼻毛が出ていることもしばしば。性別に関わらず、1日1回は鏡を見る習慣をつけてほしいですね。
そして鏡の前では「笑顔」を作ってください。顔の筋肉を動かすと血流がよくなり、頭がすっきりします。以前、表情によって自律神経の数値がいかに変化するか測定したところ、最も副交感神経の数値が上がったのが笑顔でした。ユニークなのは心から笑ったときだけでなく、作り笑いでも効果があったことです。身だしなみを整え、鏡に映る自分に向かって微笑むことも大切な健康習慣です。