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TVでも人気のスーパードクター 順天堂大学医学部教授 小林弘幸先生の健康講座
- 免疫力を高める食事 2025.02.19
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免疫力を高めるためには、病原菌などと闘う免疫細胞を作る必要があります。この免疫細胞の主な材料となる栄養素が「たんぱく質」です。たんぱく質は大きく分けると肉や魚などの「動物性たんぱく質」、大豆や野菜などの「植物性たんぱく質」があります。
動物性は脂質が多く、植物性は低カロリーですが体内で合成できない必須アミノ酸が十分とは言えません。そのため動物性7、植物性3の比率でバランスよく補いましょう。
1日に摂るたんぱく質は、体重をグラムに置き換えた量(体重60㎏なら、たんぱく質60g)が目安です。朝昼晩3回に分け、均等量を摂るのが理想です。
もうひとつ重要な栄養素が「ビタミンD」です。ビタミンDは骨や歯を丈夫にするだけでなく、細菌やウイルスが侵入した際に免疫細胞を活性化させて攻撃指令を出すほか、過剰な攻撃を抑制して炎症を防ぐ役割も担っています。
ビタミンDが注目を集めたのは新型コロナウイルスの治療研究でした。新型コロナ感染患者にビタミンDを投与したところ、重症化リスクが著しく減ったことが判明。また、ビタミンDが不足すると新型コロナウイルスの発症リスクが約1.5倍、軽症以上の入院リスクが約2倍になったという報告もあります。
免疫をサポートするビタミンDですが、日本人の10人に7~8人が不足(厚労省・平成30年国民健康・栄養調査結果の概要)しています。鮭やいわし、干ししいたけ、卵などビタミンDが豊富な食材を摂りましょう。
また、太陽光を浴びると体内でビタミンDを合成できます。冬場なら日中20~30分、夏場は10分ほど散歩してください。体を動かせば血流や腸内環境が改善できますし、自律神経が整うほか、睡眠の質の向上にも役立ちます。寒い時期ですが、健康のために外で体を動かすことも忘れないでください。