アクティブなシニアライフを応援する情報サイト
TVでも人気のスーパードクター 順天堂大学医学部教授 小林弘幸先生の健康講座
- 老後をやめよう 2024.03.20
-
人生百年時代。人生が長くなると、介護や孤独、生きがいなどの老後不安が増えていきます。不安ばかりだと人生が楽しめなくなりますし、不安でストレスが溜まれば体調を崩しかねません。そこで私から提案です。
「思い切って老後をやめてみませんか」
老後とは、主に定年後の隠居生活を指します。現代は平均寿命が延びて80歳でも現役で働いたり、趣味やボランティアに励む人もいます。頭と体を動かし、人と接すれば孤独を感じる機会も減りますし、生きがいが見つかるはず。少しでも長く現役を続けることは、認知症対策にもつながります。
こうした生活を送るには、何歳になっても「老後を送っている」と思わないことが大切です。言葉は想像以上に、私たちの思考や行動に影響を与えます。「老後」「年相応」「年甲斐もなく」といった言葉に囚われると、何をしようにも「やっぱり年だからやめよう」「年寄りの出る幕ではない」と諦めの言葉が浮かんできます。
最近では「老害」という言葉も耳にします。そんな言葉をおそれて二の足を踏むのは得策ではありませんし、他人の目を気にする必要もありません。私はSNSのインスタで写真投稿を始めましたし、犬を飼うようになりました。写真を撮り始めるとふだんの生活の中にも素敵な瞬間があり、日常にもクワクが転がっていることに気づきました。犬を連れて歩くと見ず知らずの人が気軽に話しかけてくれます。初めて犬を飼った私には新鮮な刺激です。
何歳になっても新しいことを始め、人生を楽しむことが、老後不安を解消する鍵です。世代的にベテランと呼ばれがちですが、むしろビギナーを目指してください。新しいことを始めれば、またゼロからの挑戦になります。けれど、経験を積んだ人生のベテランほど、ビギナーから成長していく喜びも知っているはずです。