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TVでも人気のスーパードクター 順天堂大学医学部教授 小林弘幸先生の健康講座
- 天気に振り回されない 2023.12.26
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健康の基本となる「規則正しい生活」を送ることができれば、自律神経が大きく乱れることはありません。しかし、予測できない事態に直面したり、自分の思うようにならない他人に振り回されながら、私たちは「不規則な生活」を送っています。なかでも規則性があまりなく、毎日のように影響を受けているのが「天気」です。
その日の天気に合わせ、服装を変えたり、雨が降ったら傘をさせばよいと思う人がいるでしょう。確かにその通りですが、実は体内でも変化が起きています。たとえば、寒い日は血管を収縮させて熱を逃げないようにしていますし、暑い日は血管を拡張させて汗をかきやすいようにしています。この役割を担っているのが自律神経です。
この自律神経が天気の変化に対応しきれないとき、体内で不調が起きます。台風が近づくと片頭痛がしたり、雨の日はやけに古傷が痛む人もいるでしょう。こうした気象の変化が影響したとみられる不調のことを「気象病」と呼んでいます。この気象病は月経によりホルモンバランスが周期的に変化する女性の方が多いとされています。
私自身もかつては雨の日は体がダルくなるひとりでした。気になって調べたところ気温が高い日や降水量が多い日には交感神経の活性度が下がり、気圧が高い日は交感神経の活性度が上がることが判明しました。
それ以降は気持ちが沈み込みやすい雨の日は、なるべく込み入った仕事は避けて作業的な仕事に取り組むようにしています(反対にすっきり晴れた日は頭をフル活用する仕事に励みます)。そうすることで交感神経と副交感神経の働きを落とさず、自律神経のバランスを保っているのです。
天気が悪い日や季節の変わり目は体調を崩しがちです。行動や服装に一層気を使い、気まぐれな天気や気候に負けないようにしましょう。