アクティブなシニアライフを応援する情報サイト
TVでも人気のスーパードクター 順天堂大学医学部教授 小林弘幸先生の健康講座
- 「おいしい」は体によい 2023.11.05
-
体のことを考え、日頃の食事に気を遣うのはよいことです。ただし、ストイックになりすぎるのはどうでしょう。ファーストフードや揚げ物などは避け、口に合わなくても健康によいとされる食品ばかり口に…。
いくら体にいい食事でも、おいしくなければ、それはストレスとして蓄積します。ストレスと腸内環境は密接につながっていますが、ストレスで腸内環境が乱れると自律神経のバランスが悪くなります。全身に酸素と栄養を行き渡らせる血流を司る自律神経のバランスが崩れると、さまざまな不調があらわれます。
とはいえ、好きなものを好きなだけ食べるのは無謀です。前号で「夕食は腹七分目(21時以降なら腹五分目)」が理想だと説明しましたが、それも人によってはストレスと感じるかもしれません。そんな人は「チートデー」を設けてください。チートデーとはダイエット中でも思いきり食べてもいい日のことで、効果的に痩せられると言われています。
この取り組みは私も基本的に賛成しています。私も月2回はファーストフード店でハンバーガーやシェイクを頬張りますし、牛丼やとんかつ、焼き肉も月1回は食べています。「あれもダメ」「これもダメ」ではストレスが溜まる一方。1~2週に1回は食を満喫し、ときにはストレスから解放されましょう。ただし、こまめに体重を測り、増えすぎないよう把握しましょう。
本来、食事の役割は、生命維持に必要なエネルギーと栄養を補うことです。ただ、忙しい現代人が抱えている問題はストレス。おいしいものを食べることはストレス解消法のひとつであり、食事を我慢してストレスを抱えるのは本末転倒とさえ思います。また、同じ釜の飯を食べ、パートナーや友人ら親交を深められるのも食の楽しみ。収穫の秋は親しい人と食卓を囲み、ストレスを忘れるような時間を過ごしてください。