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TVでも人気のスーパードクター 順天堂大学医学部教授 小林弘幸先生の健康講座
- 【第18回】「早起き」で人生を有意義に 2015.07.13
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新年を迎えて半月あまりが過ぎました。気持ち新たに今年の目標を立てた人もいると思いますが、順調に進んでいるでしょうか。目標を持つのは素晴らしいことですが、挫折しないようゴールに近づいているか確認することも同じくらい重要です。
私も50代半ばに差しかかり、残りの人生を意識するようになりました。大げさに思うかもしれませんが、中高年世代は毎日が勝負です。この連載のテーマのひとつが『人生の後半戦をより豊かに、若い頃よりも輝いたものにする』ことですが、そのために実践してほしいのが「早起き」です。毎日たった1時間早く起きるだけで、見違えるほど心と体が変化していきます。
私が早起きの素晴らしさを感じたのが、2013年の夏に学会でタイへ出張したときでした。前日の夜に東京で講演を終え、羽田から飛行機に乗って朝5時にタイへ到着。一見、シビアなスケジュールに思うかもしれませんが、この日はいつもより余裕があり、この上ない充実を感じることができました。その理由は時間的な余裕。気持ちにゆとりが生まれ、何をするにも万全の態勢で臨み、すばらしい達成感を得ることができたのです。
その体験が忘れられず、帰国後にこれまでより1時間早く眠り、1時間早く起きる生活を始めました。生活スタイルを変え、真っ先に感じたのが一日が長くなったこと。時間が有効活用でき、仕事とプライベートが充実してきます。
そして、目に映る世界が変わってきます。時間がない慌ただしい朝だと、急いで身だしなみを整えて会社へ向かったり、家事に取り組むだけ。しかし、余裕があると普段は目の行かない木や鳥などを眺め、移ろいゆく自然の豊かさを感じます。すると日常が輝きだし、毎日がドラマチックになるのです。
時間は平等と言われますが、私はそうは思いません。使い方次第で一日は長くも短くもなります。そこに人生の後半戦を有意義にするためのヒントが隠されているのです。年初に誓った今年の目標。それを達成するため、いつもより1時間だけ早起きしてみませんか。
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■小林弘幸(こばやし・ひろゆき)
順天堂大学医学部病院管理学・総合診療科教授。日本体育協会公認スポーツドクター。87年、順天堂大学卒。92年、順天堂大学院医学研究科(小児外科)博士課程を修了。自律神経バランスの重要性に着目し、便秘外来を開設。主な著書『なぜ、「これ」は健康にいいのか?』(サンマーク出版刊)、『聞くだけで自律神経が整うCDブック』(アスコム刊)など。