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TVでも人気のスーパードクター 順天堂大学医学部教授 小林弘幸先生の健康講座
- 【第9回】ストレスとの向き合い方 2015.07.13
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春を迎え、新しいことにチャレンジしている人もいることと思います。ただ、新しい環境に馴染めないなど悩んだりしていませんか。今回は、そんなときに役立つ「ストレスの取り方」についてお話ししましょう。
人は生きていれば、誰でもストレスを感じます。ストレスをゼロにする方法を指南する人がいますが、「ストレスゼロは不可能」というのが私の持論です。むしろ、神経質になって本などに頼りすぎていると、余計なストレスを抱えるとさえ思っています。
では、私たちを悩ませるストレスとは一体何でしょうか? 私は「自分が抱えているストレスが分かっていないこと」が正体だと思っています。誰でも嫌なことは、あまり考えたくありません。そうやって自分から遠ざけていると、やがて漠然とした不安に変わり、ストレスとなって心に居座るのです。
ストレスを解消したい人は、まずは自分が抱えているストレスが何なのかを把握してください。そのためには、第一に「全てのストレスの書き出し」を行いましょう。次にそれらを「4段階でランク付け」していきます。簡単に解消できそうにないもの、明日にでも解消できるものなど…。ひとつずつ洗い出していくことで、今、自分が向き合うべきストレスがはっきり見えてくるはずです。
次に最も厄介なストレスに対しては、解消方法を3つ書き出します。それで解消しない場合は別の方法を3つ、それでも難しい場合はさらに3つを書き足します。皆さんに知ってもらいたいのは、大抵のストレスは「その9つの方法のいずれかで必ず解消できる」ということです。これ以上考えても徒労でしかなく、後は何を自分が実行するかだけです。
ストレスを抱えていると「この悩みがなかったら、どれほど楽か」と思うのも仕方ないことです。ただ、私たちには適度なストレスが不可欠です。ストレスゼロの生活とは「南の島でいつまでものんびり暮らしていい」と言われたようなもの。そんな生活では交感神経の働きは上がらず、仕事や趣味の能力は一向にアップしません。ストレスと向き合うことが、人生には必要なのです。
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■小林弘幸(こばやし・ひろゆき)
順天堂大学医学部病院管理学・総合診療科教授。日本体育協会公認スポーツドクター。87年、順天堂大学卒。92年、順天堂大学院医学研究科(小児外科)博士課程を修了。自律神経バランスの重要性に着目し、便秘外来を開設。主な著書『なぜ、「これ」は健康にいいのか?』(サンマーク出版刊)、『聞くだけで自律神経が整うCDブック』(アスコム刊)など。