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暮らしの中の仏事
- 第14回 お墓の引越し 2008.02.16
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お彼岸の時期になると、「お墓の引越し」についてご相談が多く寄せられます。最近では、すでに東京や大阪などの大都市やその周辺に生活の基盤ができあがっている団塊世代の方々から「郷里にお墓があるけれど、生活があるので将来戻ることはできないし、お参りに行くにも遠くて費用もかかる。何よりも自分がお墓に入ったあと、家族に負担をかけたくない。」また、他の方々から「都市計画にかかってしまい、やむを得ず新しい墓所に移さければならない、改宗した為、将来のことを考え宗旨・宗派に関係のない霊園に移したい。」といったご相談があります。
このように、遺骨を既存の墓所から新しい墓所へ移して埋葬し直すことを「改葬」といいます。しかし、大切なお墓の移動ですから、それなりの手続きが必要となります。事前に既存のお墓の管理者には承諾を得ておきましょう。
「改葬」をするためには、まず新しい墓地を準備し、管理者に受入証明書を発行してもらいます(押印が必要)。次に旧墓地の管理者に埋葬証明書を発行してもらった後、旧墓地のある市区町村役所に受入証明書と埋葬証明書と改葬許可申請書を提出します。市区町村役所から改葬許可証が交付されたら、旧墓地から遺骨をとり出すことができます。申請の様式や必要な書類が各市区町村で多少異なることがあります。あらかじめ確認しておくとよいでしょう。遺骨をとり出した後は、お寺様にお願いして「御霊抜き」の法要を営みます。あとは新しい墓所では管理者に改葬許可証を提出し、とり出した遺骨を埋葬します。納骨の際には、開眼と納骨法要を行います。これでお墓の「改葬」は完了します。
最後に遺骨をとり出したあと、墓石などは解体し撤去します。墓地は購入した時の状態(更地)に戻し、管理者に返却することが必要です。墓石の撤去費用、既存の墓地の処理にかかる費用は事前に信頼できる石材店に相談しておくとよいでしょう。
協力/メモリアルアートの大野屋